2018年4月2日月曜日

米国株OP取引の実践的解説13:まとめ


(前→その12:今の株価よりも安く株を買う裏技


これまでの米国株オプション取引の解説記事で、実践的な具体例による基本的な話は一通りし終えたように思います。

(あとそれから普段の私自身の取引記事も、いい実例になっているのではないかと思います)


まとめるほどの話でもないのですが、基礎的な解説の区切りとして、改めて米国株オプションについて、ごく簡単にまとめてみましょう。

ほとんどの米国株・ETFにはオプションが用意されている

全ての銘柄にあるとは限りませんが、多くの方が興味を持たれているであろう大型株や有名ETFであれば、ほぼ確実に存在します。

AMZN株にはAMZNオプションが用意されていますし、GE株にはGEオプションが存在し、もちろんETFも、SPYにはSPYオプション、QQQにはQQQオプションが用意されていて、それぞれ活発に取引されている(もちろん対象の株やETFそのものよりは取引量は少ないですが)という感じです。

オプション取引にはコールとプットがある

オプションにはコールオプションとプットオプションの2種類が存在します。

コールは「対象の株を買う権利」であり、 プットは「対象の株を売る権利」ですが、「買う権利を買う」とか「売る権利を売る」とか考えるとワケ分からなくなってくるので、実践では次のように考えればOKです。

コール=対象の株価が上がると上がる(株価が下がると下がる)

プット=対象の株価が下がると上がる(株価が上がると下がる)


物にもよりますが、基本的に、株価の変化に比べて、コールやプット価格の変化率は、尋常じゃなく大きくなることが多いです。

これまで見てきた例の中では、AMZN株という米国市場を代表するような銘柄が前日比+1.43%というごく僅かな値動きを見せた時ですら、コールオプションは一気に+170%程度、すなわちたった1日で2.7倍にも膨れ上がっていました(なお、その時プットは-40%超の下落をしていました)。

解説記事12にある、「3月12日、AMZN1600ドル超え時のオプション板」参照)


資金を大きく増やしたいなら、オプション買い1択

そんなわけで、株価が上がる直前にコールオプションを買っていれば極めて大きな利益ゲット、また株価急落前にプットオプションを仕込んでおけばこれまた大益ゲット、1日で10バガーなんかも絵空事ではないレベルで頻繁に起こるぐらいの、日常茶飯事です。


もちろん逆に、コールを買って株価が暴落、またはプットを買って株価急騰というパターンになったら、1日で保有ポジションの評価額が半額になったり1/10になったりすることもあり、最悪、紙くず化=価値0になることも覚悟する必要があるかもしれません。

ただし、よほど危険を冒さない限り、いきなり紙くず化するようなことはないでしょう。


また重要な点として、最大の損失は投入資金が0になること、すなわち追証的なものが発生したりして借金に追い込まれることは絶対にありません

(もちろん信用取引で資金レバレッジを大きくかけていたら話は別ですが、それはオプション取引とは何の関係もありません。株取引でも全く同じことです)

オプションは、売ることもできる

そして、信用取引を行わない現物口座であっても、オプション取引ができる環境ならば、売りからもエントリーできるのがオプションの面白さであり良さだと思います。


オプション売りの最大の特徴は、勝率の高さです。


オプションというのは基本的に「時間に価値をつけてやり取りするもの」なので、時間の経過とともに刻一刻と価値が目減りします。

これはオプション買いポジションを持っている立場からすれば苦痛なのですが、逆に、オプションを売った人からすれば、ただ平穏に時間が過ぎ去るだけでどんどん売ったものの価値が目減りしていくことになるわけで、寝てる間にどんどん勝ちに近付く状態、すなわち実にルンルンハッピー嬉ピーな状況なのです。


オプション売りでは、時間の経過が味方だということですね。


よっぽど無理してがめつい形の売りポジションを取らない限り、多少思惑とは逆方向に動いたとしても、時間の経過が味方してくれて、基本勝てます。

ただし、予想以上に期待と逆方向に株価が動いてしまった場合はさすがに損失を食らうこともありますので、当たり前ですが、必勝ではありません。


しかし、 負けるのは「株価が、思惑とは逆方向に、極めて大きく動いてしまった」場合のみですから、平時は本当に面白いほど勝てることでしょう。


以前まとめた通り、週1オプションの売りポジションを毎週建てることで、夢の「毎週配当金」的な、毎週自由に使える現金が手に入る状況も組み立てることが可能です。


・・が、私が最も気になるオプション売りの残念な点は、資金効率が悪いというその1点に尽きます。


例えば、株価100ドル・オプション価格1ドルの商品に、10万ドルの資金で挑むとします。

このオプションを買う場合、オプション価格は1ドルですので、1枚=100株分にあたってオプション価格に100をかけた値段になる米国株オプションの場合、10万ドルで1000枚購入可能です。


しかし、オプション売りの場合、コールでもプットでも、ある程度の余裕資金がないとエントリーが許可されません。

ある程度というのは、プットですと1枚売るのに、その株を100株買えるだけの現金、コールも大体同じなのですが、コールはカバードコール売りをするのが鉄則なので、この場合1枚売るのにその株を100株持っている必要がある、すなわち結局保有資産としてその株100株分の資金力が必要だということですね。

(もちろん、その資金はただ拘束されるだけで、取引そのものには用いられません。)


よって、このオプションを売る場合、10万ドルの資金で挑むならば、オプション1枚あたり100株分すなわち1万ドルの資金を必要とするので、わずか10枚しか売却できません


資金効率が悪いというのはこのためですね。

もちろん、買うのも売るのも同じオプションですから、上述の通り1日で2倍になったり半額になったりするのは当たり前の極めて大きな動きをするんですけど、買いの場合はそこからオプション1000枚分の動きをゲットできる一方、売りの場合は10枚分の動きしか手に取ることができないということです。


しかし言うまでもなく、両者を比べるのであれば、売りの方が遥かに勝率は高いことでしょう。

何せどんな時でも、未来永劫必ず万人に等しく過ぎ去っていく時間というものを味方につけられるのですから。


・・・が、私は、勝率と当たった時の大きさ、すなわち夢の大きさとを合わせて比べた場合、オプション買いに魅力があると感じます。

しかし当然それは各人の性格によるものですね。

ハイリスクハイリターンを望まないのであれば、極めて高い確率で勝ててしかも毎週現金ゲットができるというオプション売りに強い魅力を感じる人もいることでしょう。

私は、個人的には、買いが面白いと思う、というだけですね。


そこに絶対的な優劣は存在しません。


ただ、色々話を聞いていると、最初はほぼ万人が「極めて高い確率で勝てる」という点からオプション売りから始めて、しばらく連勝で気を良くするも、たまには負けることも当然あり、そして仕様上売りは利小損大ですから、ごく稀にあるドカンという負けを食らう日がいずれ必ずやってきます。

元々オプション取引を始めるような人は、優れた戦略や商品で他より大きな利益を作り上げたい、良く言えば投資強者、悪く言えばがめつい欲豚ですから、「あれ、これ、ちまちま売りでしょっぱい利益を稼ぎ続ける(そしてたまに失敗してそのコツコツ利益を吐き出す)より、買いで勝負に出た方がいんじゃね?」などと気付き、買いメインに落ち着くことが多いようです。


私も大体そんな所ですね。


かなり欲張ったポジションを取った場合、さすがのオプション売りでも失敗する可能性は割とあり、色々あれこれやってる内に、売りの資金効率の悪さがアホらしくなって買いの方が魅力的だと思うわけです。

(もちろんそれは大きな動きのある、米国株オプションの場合ですが。日経オプションの場合は、経験がありませんが、指数なのでやたらめったら大きな動きはしないですし、やっぱり売りの方が堅いのかな、という気はします)


また、ひょっとすると、オプション買いはあまりにハイリスク過ぎて「やってられっか」となり、結局オプションなどより現物株保有がナンバー1!という結論になる人も多数いるのかもしれません。


まぁそれは実際やってみて、ご自身の性格に照らし合わせて考えないと見えてこない話かもしれません。



簡単にまとめるつもりが結局長くなりましたが、最後に適当に簡単な表としてまとめると、こんな感じですかね。

買う 売る


株価-行使価格(プラスアルファとして残り時間分の時間価値)】がそのまま資産価値。差を取って考えるから、変化率がもの凄く大きくなる!

株価上昇時 ★★★★★★★★
株価横ばい ×××
株価下落時 ××××××

株価アップ→超大きな利益ゲット!

ただし、株価が下がった時の評価額の下落は半端じゃない。

時間の経過が敵なので、株価横ばいが続いても、満期までに上がってくれない限り敗北なのが痛い。
 【株価-行使価格(プラスアルファとして残り時間分の時間価値)】を自分が支払わなくてはいけない。満期時=時間価値0の時点でマイナスの値で終われば完全勝利!

株価上昇時 ★★★
株価横ばい ★★★★
株価下落時 ★★★
株価大幅下落時 ×

原則、対象株を保有したカバードコール売りを行うことになる。

株価が上がっても実損はないが、カバードコール売りに使った保有株を高く売り損ねることになるので、あまりに株価が上がり過ぎると精神的に負けた気分になる。

株価の下落も、コール売りポジション自体にはありがたいが、あまり下がりすぎると保有株の評価額そのものも下がってしまうのでちょっと困る。

いずれにせよ、多少の値動き程度なら、時間の経過が味方してくれて、完勝。


行使価格-株価(プラスアルファとして残り時間分の時間価値)】がそのまま資産価値。差を取って考えるから、変化率がもの凄く大きくなる!

株価上昇時 ××××××
株価横ばい ×××
株価下落時 ★★★★★★★★

コール買いと全く同じ。

株価アップが嬉しいかダウンが嬉しいかの違いのみ。


なお、負けた時の損害も、売りに比べて極めて大きくなることが普通(売りで投入資金0になることはまずないけど、買いの場合余裕で0になって終わる)。
行使価格-株価(プラスアルファとして残り時間分の時間価値)】を自分が支払わなくてはいけない。満期時=時間価値0の時点でマイナスの値で終われば完全勝利!

株価上昇時 ★★★★
株価横ばい ★★★★
株価下落時 ★
株価大幅下落時 ××

株価が上がれば売ったプットが紙くず化に近付くので、単純に嬉しく利益に繋がる。
ただし、「その株を買いたい」つもりでプットを売っている場合、あまり上がっちゃうと手を出しにくくなってしまう、ということはあるかも。

株価の下落は、プット売りの大敵。
多少の値下がり程度なら、時間の経過が味方してくれて勝てるけど、大暴落が来た場合、プット売り資金の大半を失う覚悟が必要。
(ただし、その損失は、現物株を持っている場合と同じ。買いの時のように、資産が完全に0になってしまうことは、現物取引である限りほぼあり得ない。0になるのは対象株が倒産した時のみ)


・・・「簡単な表」すら長くなりましたが、結局、「やってみるのが一番」ですね。

一見複雑で、国内証券では現状扱っていないことからも、心理的・物理的ハードルも高いですが、オプション取引にはそれだけの魅力があると思います。


個人的には、あらゆる金融商品で最も優れているのが米国株オプションだと思うので、強くオススメです。

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