米国株式市場では、インサイダーが自社株に関する取引を行った際、Form 4と呼ばれる書類をSEC(アメリカ証券取引委員会)に提出することが義務付けられています。
この書類には、誰(企業内での肩書き含む)が、いつ、いくらで、何株の自社株売買を行い、現在何株保有しているか、といったことが記述されています。
※ちなみに、日本ではインサイダー取引というとイコール不正行為のように感じますが(「インサイダー」で検索して出てきた唯一の結果であった、最初に貼ったイラストにもそれが表れています)、米国市場においては、insider tradingという言葉自体に、そういった意味合いは一切含まれないと思います。
上記Form 4を提出した上で成されるインサイダー取引は、制度上認められている、全く何も問題がないものなのでご安心ください。
さて、そのインサイダー取引情報はどこで見ることができるのでしょうか?
様々なデータベースサイトで入手可能ではありますが、最も情報が早く、かつ絶対に正確なのは、もちろん、親方日の丸ならぬ親方星条旗の、SECに存在するデータです。
SECでは、EDGAR(Electronic Data Gathering, Analysis, and Retrieval;電子データ収集・分類・検索)システムと呼ばれる、巨大データベースが提供されています。
https://www.sec.gov/edgar.shtml
さっそく現地へ赴き、Form 4を探してみましょう。
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SEC・EDGARより |
EDGARには、Form 4に限らず、あらゆる種類の企業からの申請書類が蓄積されています。
今回のお目当ては最新のForm 4なので、まずは上の赤丸で囲ったSearch for Company Filings(企業の申請書類のサーチ)をクリックし・・・
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EDGAR・サーチツールより |
上記移動したページから、Most recent filings(直近の書類)をクリックします。
すると、検索フォームに飛びます。
まあ、最初っからその検索フォームへのリンクをクリックするのが一番早いんですけどね。
https://www.sec.gov/cgi-bin/browse-edgar?action=getcurrent
お目当てのForm 4のみを見るべく、右上にある入力ボックス「Form Type」に「4」と入力し、Retrieve Filingsをクリックしましょう。
最新のForm 4(と、4で始まる別のFormもヒットしますが)一覧が出てきました。
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最新のForm 4一覧 |
当然ですが、めちゃくちゃな数の申請書がリストアップされています。
順番に見ていったのですが、この日提出された書類の中には、私が知っている企業は見当たりませんでした。
流し見していって2ページ目、SALESFORCEってのは聞いたことがあるかな?と思えたので、今回はこれを例に見てみましょうか。
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現地時間1月5日夜の、検索結果2ページ目より |
SALESFORCE.COMの左側にある、htmlをクリックしましょう。
申請書類の詳細へと飛びます。
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詳細ページより |
xmlは見辛いので、またhtmlへ飛びましょう。
やりました、ついに実際のForm 4へ到達です!
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SALESFORCE.COMの、この日アップロードされていた実際のForm 4 |
上部カラムの1と5から、これはSALESFORCEのディレクター・取締役会チェア兼CEOであるBenioff Marcさんの申請であることが分かります。
そして中央部Table 1から、 1. 普通株を、2. 2018年1月5日に、4. 5000株分、平均107.8913ドルで売却(A=Acquiredで取得、D=Disposed Ofで処分で、今回はD)し、5. 現在3354万1800株をなお保有している、ということが分かります。
おっと、今回はお目当ての自社株買い情報ではなく、売却の報告でしたね。
SALESFORCEのトップ中のトップであるMarcさんが、約6100万円分自社株を売却し、ポケットマネーを得たということです。
しかし、前回も述べましたが、手持ちの自社株を売却したからといって、 それが必ずしもネガティブなものとは限らないと思います。
多分、おせちを買いすぎて財布が寂しくなってしまったから、ちょっと株を売って・・・とかそういう理由でしょう。
これも既に述べた通り、私は、自社株の大量購入情報を参考にしようと思っていますが、自社株売り情報は判断に難しいので、特に気にしません。
知りたいのは、なるべく企業内でトップに近い人の、自社株の大量購入情報です。
・・・と、こんな感じでForm 4の調査・閲覧は可能なのですが、このやり方は一覧性が大変悪く、相当の暇人または専業投資家でもない限り、このEDGARを直接使っての分析はややきついでしょう。
そもそも、「我流投資の要1」として挙げましたが、この方法、時間がかかる・即効性がないという弱点があります。
インサイダーが大量に自社株買いをしたのを見た!
→よし、自分も飛び乗ろう!
→即株価爆上げ!!
・・・とは、なかなかなりません。
きちんとForm 4で報告すれば基本的に不正には当たらないインサイダー取引ですが、さすがに、例えば自社の一部門が大企業に買収されるみたいな凄いニュースを出す直前に全財産で自社株を買って、即株価爆上げ、自分だけがっぽがっぽ・・・となれば、SECからの調査が入って、場合によっては不正取引扱いになることもあるようです。
よって、そういう疑いの目を向けられないようにするため、大量のインサイダー買いがあっても、実際に株価が上昇するまでは、割と時間がかかることが多いように見受けられます。
(ただし、それでも、特に何の根拠もなく優良そうな銘柄を選ぶ、というやり方よりは、長い目で見れば成功確率は格段に高くなると思います)
ともかく、インサイダー取引情報に関しては、どうせ結果が出るまでには時間がかかることもあり速報性はそこまで必要としないので、もっとまとまった見やすいデータが欲しい、というのが人情でしょう。
(※もちろん、本当の本気で専業投資家として市場で生き残ろうと思ったら、毎日アップされるForm 4(に限らず、全ての申請書類)の全てをその日の内に目を通しておくということも重要になりましょう。
しかしこれを読んでいる恐らくほぼ全ての方はそこまでではないと思うので、更新日にギャップがあったとしても、もっと見やすいデータの方が嬉しいのではないかと思います。)
そこで次回は、別のデータサイトでインサイダー取引情報を見てみようと思います。
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