2018年3月12日月曜日

銀河一の最強ETFになるのが確定的に明らかなFNGU、本当に買いか…?!


昨日の続き、FANG+指数の3倍に連動するFNGU/FNGDについてです。


まず最初に、このFNGUというかFANG+指数を見た時にみんなが確実に思ったこと、それを、全人類の代弁者として、私がコピペ形式でお送りしてみようかと思います。


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AMZN「この中に1人、仲間はずれがいま~すwww」

FB(ニヤニヤ)

AAPL「そーれーはー?w

TWTR(チラッ

BIDU「ちっ、中国だからって仲間はずれにするのは良くないと思うアル」

BABA「落ち着け、俺も中国企業だ」

TWTR(チラッ

NFLX「私は腐ってもFANG」

TWTR(チラッ

TSLA「そ、そんな・・確かに1人だけ自動車産業だけど・・・」

NVDA「安心しろ、俺とお前は自動運転という大名目で仲間だ」

TWTR(チラッ

GOOGL「チラッじゃねーだろ、チラッターかおめぇは!そんなお前にイラッターだよ!!お前のことだよツイッター、唯一近年S&P500に劣後し続けている、このFANG+の面汚しめがっ!!!」

TWTR「うっ・・・SNAPぅ~(泣)」
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・・そう、世界中の米国株投資家が「何シレッと紛れ込んでるんだよ<笑>」と噴き出さずにはおれなかったのがTWTR、その点含め、色々FNGUのパフォーマンスを考察しようと思ったんですが、調べたらSeeking Alphaに、実によくまとまっていたナイス記事が配信されているのを目にしました。


私が見てみようと思っていたことがきっちりまとめられており、これを書いたのは私なんじゃないだろうかと錯覚しかけた・・・というか、これ書いたの私ってことになんねーかな、とか思ったんですが、折角なので今回はそちらの記事をまるっと紹介させていただこうかと思います。

一応、きちんと出典を明示し、言語を変換すれば、内容が同一のダブり記事とはみなされないと見た記憶があるので、引用の範囲は超えていますが、紹介という形での全編引用、いってみましょう。


世界一危険なFAANG(Seeking Alphaより)

(執筆者:Jonathan Cooper)

要約

  • バンク・オブ・モントリオールが、FAANGプラス4つの大成功を収めている株と、あとついでにTwitterを含めた、3倍ETNを立ち上げた。
     
  • これは、あり得ないレベルでボラが大きい:85%もの年で、40%を超える低迷に苦しむようなレベルだ。
     
  • 過去の結果は素晴らしいが、それは単に選り好み/後付けバイアスによるものなのだ。
     
  • 私は長期的にレバレッジ型のファンドを保有しているが、このFNGUを自分のポートフォリオに追加しようとは、まずもって思えないね。

Facebook (FB)、Apple (AAPL)、Amazon (AMZN)、Netflix (NFLX)、Google (GOOG、GOOGL) の5社、いわゆるFAANGには、ここ10年、素晴らしい時間が続いている。この5社すべて、自社への投資家を、とても、物凄くハッピーにしてきた。

FB他+S&P500 ETFのトータルリターン、YChartsより

他のハイテク企業もまたよくやっている―Alibaba (BABA)、Baidu (BIDU)、NVIDIA (NVDA)、Tesla (TSLA) なども、過去1年間で市場平均を上回っている。これら9社は最低でも44%のリターンとなっており、一方SPYはわずか27%のリターンである。

バンク・オブ・モントリオール (BMO) とRex Sharesは、どうやらそのことに気付いたようだ。

今日現在の時点で、BMOはこれらの9つの成功企業とTwitter (TWTR) を対象とした、3倍レバレッジ型のETNを提供している。この新しいファンドとは、BMO REX MicroSectors FANG指数・3倍レバレッジ型ETNのFNGUと、BMO REX MicroSectors FANG指数・-3倍レバレッジ型ETNのFNGDである。

これはあり得ないぐらいに危険な投資対象である。もちろん「この商品には資金を決して投入すべきではない」というわけではないが(少なくともブル型であれば)、FNGUにどれくらいの資金を投資するかについては、極めて慎重になるべきであろう。私は、非常に短期間のポジションを除けば、FNGD(ベア型)の方は完全に避けるだろうね。

FNGUのバックテスト:方法論

この投資がいかに高リスクかを説明するために、私はFNGUのシミュレーションをバックテストし、過去にどのようなパフォーマンスを示してきたかを確認してみた。

このバックテストは、完全に選り好み/後付けバイアスの結果であるということを忠告しておきたい。FNGUの構成銘柄―TWTRを除いて―は、マーケットリーダーとしての、強い過去の実績に基づいて選ばれたものなのである。この選択は、無作為ではなかった。むしろ正反対。このファンドは、可能な限り最大の選択バイアスがかけられているものなのだ。

したがって、バックテストの結果は、過去のリターンの話をする上では、絶対的にその点を差し引いて受け取るべきものである。・・・にもかかわらず、なお、バックテストからはFNGUの物凄く大きなリスク/ボラティリティが示されたのだ。

通常のあらゆる類の注意事項が適用されるし、むしろ通常よりもっとそうすべきだと言える。過去の実績は、将来の結果を示唆するものではない。率直に言って、FAANGは過去と同じようにこの先成長することはできない―単に、過去の成長率を永遠に維持するには、もう大きすぎるのだ。FAANGは魅力的に成長し、投資家に価値を提供することは可能であろう。例えば、AAPLは、2004年以来、〜100倍である。再び合理的に100倍の成長をすることは不可能だ。単純に、自身の規模や経済規模がその理由だ(AAPLは米国のGDPの約5%に相当する時価総額を有してる)。ゆえに、将来のパフォーマンスは、過去のそれとは大きく異なる可能性があるわけだ。

ともかくそんなわけで、バックテストするために、私はYahoo Financeの1日値動きの結果を使うことにした。FNGUは等価加重なので、それを使ってみたわけだ。結果は、デイリーチャートの記録に基づき、それを3倍し、FNGUの経費率である0.95%を差し引いたものになっている。


ティッカーシンボル IPO
Facebook FB 2012年5月18日
Amazon AMZN 1997年5月15日
Apple AAPL 1980年12月12日
Netflix NFLX 2002年5月2日
Google GOOGL 2004年8月19日
Ali Baba BABA 2014年9月18日
Baidu BIDU 2005年8月5日
NVIDIA NVDA 1999年1月29日
Tesla TSLA 2010年6月29日
Twitter TWTR 2013年11月7日

FNGUのバックテストは当然限られたものになってしまう。BABAが上場したのは2014年であったためだ。データをさらに追加するために、FNGUの半分の銘柄が公開された日付に戻ってテストを行うことにした。これは、バックテストの少なくとも一部ではFNGUの構成銘柄の半分を除いていることになるため、明らかに、せいぜい近似値程度のものである。

FNGUの半数は、2004年8月にGoogleのIPO後に上場されたものである。今回のバックテストは、その日から開始するものとした。上場株式はすべて、各社のIPOの日からシミュレーションに含まれることになる。


警告:結果はバカげたものである。

FNGUのバックテスト:結果


Yahoo Financeのデータから、元記事の執筆者作成(タイトルのみ日本語に変更)

2004年8月以来、FNGUは14年の内、12年間で利益を上げてきたようだ。その12年のうち7年間で、FNGUは2倍以上になり、2009年の年間利益はほぼ1000%に達していた。

一方、FNGUは2008年に94%も下落していた。アホかと思えるレベルのボラの大きさである。

Yahoo Financeのデータから、元記事の執筆者作成(タイトルのみ日本語に変更)

FNGUは狂ったレベルの下落に苦しんでいる。最悪の下落は、2008年11月20日に起こったものであろう。その日、シミュレーション上のFNGUは、かつてのピークから97.6%も減少していた

年間リターン 月間ボラティリティ Sharpe Ratio
(効率係数)
最大下落
2005 247% 27% 0.52 -30%
2006 99% 21% 0.25 -48%
2007 454% 26% 0.48 -45%
2008 -94% 33% -0.70 -98%
2009 995% 19% 1.31 -96%
2010 193% 22% 0.53 -57%
2011 -30% 20% -0.13 -64%
2012 33% 23% 0.02 -64%
2013 794% 22% 0.78 -48%
2014 27% 19% 0.28 -49%
2015 78% 18% 0.28 -43%
2016 36% 16% 0.01 -62%
2017 269% 13% 0.92 -20%
Total 25% 0.25 -98%
(Yahoo Financeのデータから、元記事の執筆者作成)


上記の表は、2005年から2017年までのFNGUシミュレーションにおける、年間リターン、月間ボラティリティ、Sharpe Ratio(注:Ratioを『レシオ』と表記するのが生理的に耐えられないので、英語表記そのままでいきます。日本語だと『効率係数』、これでもいいですね)を示している。また、その年の、最大の下落も示している(その最高値がその年のものかどうかにかかわらず、過去の史上最高値からの比較)。

ここでいう効率係数とは、月間ボラティリティに対する月間超過リターンの幾何平均を使用して計算されるものである。超過リターンは、10年債の月次利回りを使用して計算される。

私にとって注目すべきは、FNGUシミュレーションは、毎年少なくとも20%の下落に苦しんでいるということである。さらに悪いことに、FNGUは少なくとも85%の年で、43%以上の下落に苛まれているのである


Yahoo Financeのデータから、元記事の執筆者作成(一部ラベル追加)

全体として、FNGUのパフォーマンスは素晴らしいものであったと言えよう。2004年8月に1ドルを投資していたとすると、今日時点で3万ドル以上の価値となっている。しかし、改めて、これは単に選り好み/後付けバイアスの結果に過ぎないものである。これらの企業が、上場来これほどまでに驚くほどの業績を上げようとは、誰にも分からなかったことなのだ。将来的にこのリターンが再現されることを期待してFNGUに投資することは、決してしてはいけない

比較として、同じ期間でS&P500に投資した1ドルは、今日現在〜3.43ドルの価値となっている。


なぜTwitterが含まれているのか?

Twitterのデータ、YChartsより

FNGUの銘柄リストを見た時、最初に浮かんだもう一つのことは、Twitterが含まれているのは奇妙だ、ということである。FNGUの他の構成銘柄とは異なり、Twitterは特に成功した株ではないのだ。

Twitterの未来はともかく、同社の株はIPO以来49%下落しており、IPO後の一時的な上昇からは、さらに大きな下落となっている。率直に言って、意味不明の存在に感じる。

Seeking Alphaを含む、ディスカッション系のサイトでの"Hot"な株とも言えない。AAPLやTSLAに関する記事には、いつだって何百ものコメントがついている―多くの人がこれらの企業に非常に関心を持ち、また献身的な信者なのだ(強気であれ弱気であれ)。先週のAAPLに関する記事は10件、TSLAに関する記事は16件あった。一方、TWTRは1回しか書かれていない。同様に、TSLAの平均出来高(株価とあわせて、ドル単位での)はTWTRの約2.5倍であり、AAPLの平均出来高はTWTRの約7.5倍である。

要するに、Twitterがこのファンドに含まれていることに、私は驚いているのだ。9つの企業を持つ必要があり、またハイテク銘柄に重点を置きたいならば、TSLAに匹敵する出来高を誇る、Microsoft (MSFT) を取り入れる方がより自然に思われるんだけれどねぇ。

結論

私は、レバレッジ型ETFには反対していない。過去には、レバレッジ型ETFについての記事を―ポジティブに―書いてきた(ベータのズレは心配するな)。私は、レバレッジ型債券、S&P500、および金(ゴールド)ファンドをバックテストした結果、3つのレバレッジ型ETF (UPRO、UGLD、TMF) を所有している。

とはいえ、FNGUは、私の投資するレバレッジ型ファンドにはならない。過去のパフォーマンスは素晴らしい―が、それは選り好み/後付けバイアスによるものなのである。過去のリターンは、将来のリターンの良い予測材料とはならないのだ。

しかし、過去のボラティリティは、将来のボラティリティのより良い予測材料たり得るものであろう。FNGUシミュレーションから、FNGUは非常に高いボラであり、85%の年で40%超を失うことが判明している。このボラティリティは、ピーク時よりは多少小さくなるかもしれない―この指標の構成銘柄のほとんどは、以前よりもはるかに成熟しているから―しかし依然として、私は、極めて高いボラティリティがあるのではなかろうかと思う。3倍のレバレッジをつけたS&P500ファンドでさえ、97%の下落を被るであろう―このファンドには、さらにずっと激しいボラがあるであろう

結論、私は、このファンドに投資することはおすすめできない。とはいえ、あなたのポートフォリオ(または失っても問題ないお金)のほんの一部をFNGUに投資することは、愚か過ぎる選択ではないとも考えている。FAANGとその他の構成銘柄を個別に所有する傾向がある人には、これは比較的安価な経費率での資金レバレッジを提供するものとなる。例えばFNGUがポートフォリオの5%である場合、下落リスクをきちんと認識している限り、このギャンブルに、そこまで大きな失態は見つけられないことであろう。

いつも通りの結論、投資は自己責任で!

**私のシミュレートしたFNGUのデータは、Googleスプレッドシートで公開中である。




・・・ということで、まぁ、極めてまともな記事ですが、まともであるからこそ、結論を1つに絞ることはなく、「買っていいかどうか、この先過去のパフォーマンスを維持できるかどうかは、誰にも分からない」という、ややあやふやともいえる、至極まっとうな話になっているかと思います。

一応ボラがあまりにも大きいので、記事執筆者個人的にはおすすめできないとは書いていますが、「SP500に投資した1ドルが3.43ドルになっている間に、FNGUは3万ドル以上になっていた」などと言われたら、株式投資を行おうなどというそれなりの欲を持った人間であればついつい食指が動いてしまうのも当然で、むしろ、「これに投資しない人はダボハゼだ」などと言われても、何も言い返せないことでしょう。

過去は過去ですが、投資は結果が全てですから。



しかし、長々と見てきましたが、そんなことより何より多くの方がまず気になるのは何を隠そう、「どこで買えんの?」ということでしょう。


調べた限り、現時点でSBI・楽天・マネックスの3大米国株取扱い証券会社では、扱われていないようです。


というわけで、国内証券会社をお使いの大多数の方にとっては、悩むまでもなく、そもそも買うことができない、という感じですね。

どうしても買いたい方は、お使いの証券会社にリクエストを送るのがいいかもしれません。いつ反映されるかは分かりませんが・・・。



なお、私は、色々銀河一だなんだと言いましたが、現状、手を出すことはないでしょう。


その理由は、オプションがまだ存在しない!・・・の1点に尽きます。


前回の記事で見たとおり、FNGUは取引開始から2ヶ月弱の現時点で既に約+30%ほど値上がりしているのですが、正直ぶっちゃけ、オプション取引なら+30%とか、1時間で達成可能ですからね。


事実、先週金曜日、私の保有するプットオプションは、午前中の1時間ちょいで+57.89%とか上がっていましたから。


ただ、FNGU/FNGD自体のオプションが取り扱われれば、話は別!


正直、FNGDとか、3倍ETFの減衰効果とFANG+指数の上昇とから、地獄の黙示録・破戒録的な下落が期待できるのは誰の目からも確定的に明らかなわけでして、これのプットでも適当に買っておけば、リーマンショック級の大暴落でも来ない限り、超絶大宇宙猛烈銀河レベルの爆益を高い確率でゲットできるのではないかと思います。


ともかく、(もう上で「なかった」と言ってしまっていますが)期待をこめてFNGUのオプション板を開いてみたら・・・

3月9日引け時点のFNGUオプション板

まだオプションが取り扱われていない!!


FNGUの出来高は、金曜日のこの日、10万1610株ですか・・・。


他の3倍ETFを見てみたら、FNGUより遥かに出来高の小さい、Nasdaqバイオ銘柄3倍ETFの、UBIO(金曜日の出来高6万2300株)なんかには、普通にオプションが存在していますね。

3月9日引け時点のUBIOオプション板

・・ということは、FNGUも、きっとその内オプションが扱われるようになるはず!!


・・・と思ったんですけど、他の3倍ETF、例えばS&Pの金(ゴールド)3倍ETNであるUGLD(上記記事の執筆者の方が「個人的に投資している」と述べていましたね)なんかは、FNGUより遥かに圧倒的に出来高が大きく(金曜日は73万8050株)、2011年10月14日に取引が始まっているという長い歴史を誇る由緒正しき銘柄だというのに、未だにオプションが存在しない!!

3月9日引け時点のUGLDオプション板

う~ん、必ずしもある程度の出来高があればオプションが取り扱われ始める、ってわけでもないのかもしれませんね。


とりあえず、FNGU/FNGDオプションが扱われ始めることはあるのか、あるとしたらいつ頃なのか、個人的に非常に気になったので、オプションの全てを司る公式機関・CBOE(シカゴオプション取引所)に質問してみました。


・・・まぁ、メールで質問して、まだ返事待ちなので、詳細は不明なんですけどね。


返事が来て、全く情報量が0の定型文しか来なかったという場合でもない限り、また来週にでもどうな感じなのか、別記事で紹介してみようと思います。



とりあえず、個人的には、FNGUは面白そうではあるけれど、その辺の適当な銘柄のオプション取引にすら遥かにボラが劣るためパス・・・しかしもしFNGU自身のオプションが登場したら、その時は満を持してFNGUかFNGDオプションに投資してみたい、そう思っている次第です。
 


・・もしもオプションという金融商品が存在しない世の中であったならば、私なら買ってたでしょうね、FNGUを。


やっぱり、ボラの高い商品は魅力的です。


誰しもにおすすめできる話ではないですが、失敗しても何も命まで奪われやしないんだからさ、この世に生を受けて1回きりの人生、多少リスクを負っても、挑戦できることには挑戦してみてもいいんじゃない?・・・と思えます。


でもまぁそんな私でもフルレバでFXとかには絶対に手を出さないので、何事もその人のリスク許容度次第というのが結論かもしれませんね。


非常に長くなりましたが、個人的には、FNGU/FNGDは、非常に面白い商品で、もし国内証券会社で取り扱いが始まったら、短期中期的な投資として、資産の一部を使ってエントリーするのは十分ありではないかな、と思います。

国内証券で扱われ始めたら出来高も増え、引いてはオプション取り扱いにもつながる気がするので、早く取扱い証券会社が出てくれることを願わんばかりです。

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