2018年1月22日月曜日

米国株OP取引の実践的解説1:コールとプット


(次→その2:取扱い証券会社について

これまでさも当然の知識のように触れてきた米国株オプション取引ですが、改めて順番にゆっくり、全く未経験の方にもどんなものなのかを掴んでいただけるよう、できる限り理論や難しい話は排して、なるべく分かりやすく実践的な取引を例に解説をしていこうかと思います。


オプション取引=ある銘柄の「将来の株価」に値段をつけてやり取りする取引


まず、これをご覧の方は100%間違いなく、株取引についてはご存知かと思います。

株取引とは、めちゃくちゃ単純に言えば、ある企業の持つ価値を株式という名の金券に与え、その金券=株券を、買いたい人と売りたい人とでやり取りしあうというものです。

そしてオプション取引とは、これまた単純化して言えば、その「ある企業の株価」が、「将来いくらになっているかの予想」に値段をつけ、その「予想券」を買いたい人と売りたい人とでやり取りしあうというものになります。


つまり、Amazonという企業にAMZNというティッカーシンボルの株券があって独自の株価がついているように、また、ゼネラルエレクトリックという企業にGEという株券があって独自の株価がついているように、それぞれの企業に、「その株価がこの先どう動くかを予想する券」=オプションが存在するということです。


AMZNを対象とするオプション、GEを対象とするオプション、AAPLを対象とするオプション・・・というように、日本にいらっしゃる米国株投資家の方が主に取引対象とする大型銘柄(※)であれば、ほぼ間違いなくそれを対象とするオプションが存在します。


※「大型銘柄であればほぼ間違いなく」と書いた通り、米国市場に上場する全ての銘柄にオプションが存在するわけではありません。

上場したての銘柄や 、株価が長期低迷してオプション取り扱い条件を満たせなくなった企業の場合、オプションが存在しないこともあります。

・・が、上で書いた通り、一般の投資家の方が対象とされるようなある程度の規模の銘柄であれば、その企業を対象としたオプションはほぼ間違いなく存在します。

NasdaqでもYahoo Financeでも、どのようなデータサイトでも「Options」の項目は必ず存在するので、気になる方は実際に自分の気になる企業のオプションが存在するか確認してみてはいかがでしょうか。


まとめると、企業自体に値段をつける株券とは違い、オプション取引では、その株価の「今後予想される動き」に値段をつけるというわけですね。


面白いですね。


具体的に言えば、例えば今株価17ドルの企業があったとして、

「来週金曜日までに25ドルに上がっているという予想」には0.02ドル程度の値段がついて取引されている(→ほとんどあり得ないので、こんな予想チケットを買いたい人はおらず、凄く安い)とか、

「2ヵ月後の第3金曜日までに15ドルに下がっているという予想」には1ドル程度の価値がついていて、それぐらいの値段でやり取りされている(→これは割とあり得そうなので、それを1ドル出して買ってもいいかな、という人がいる)、という形です。


もちろんオプションの価格は対象の株価に連動するので、対象の企業の価値と全く無関係ではないのですが、あくまで企業そのものではなく、「株価の将来の動き」というものに値段をつけていることになります。

その意味で、オプションというのはderivatives=金融派生商品と呼ばれています。


わざわざ難しい言葉を出しましたが、オプション取引をする上では全く不要な話です。ややこしいと感じた方は、速やかに忘れてください。


オプション取引=コールオプションとプットオプションの2種類がある


その「将来の株価予想券」であるオプションには、何と2種類の券が存在します。

それが、コールオプションプットオプションの2つになります。


多くの解説サイトでは、 

コールオプション= 対象の原資産を、指定された行使価格で買う権利

プットオプション= 対象の原資産を、指定された行使価格で売る権利

をやり取りするものである・・・などと説明されていると思いますが、これがまた初めて聞いた時はややこし過ぎて意味不明に感じるわけです(そこまででもないかもしれませんが)。


また、大抵の場合、以下のようなグラフとともに、

「コールオプションは、満期を迎えた時に、株価が損失分岐点以上になっていれば、支払ったプレミアムとの差額分が利益となる。損益分岐点とは行使価格+支払ったプレミアムの点であり、株価がそれを下回っていれば損失」

などと説明されていると思います。




もちろん間違ってはいないのですが、これはオプション取引のほんの一面のみを述べた話であり、全く本質を捉えていません


それについての説明は次回以降へと後回しにするとして、コールとプットをより分かりやすく、一言でその性質を述べるならば、

コールオプション=株価が上がったら、それに連動して上がる

プットオプション=株価が下がったら、それに連動して上がる(=株価が上がったら、連動して下がる


という全く逆の性質を持つ商品だととらえておけば最初は十分でしょう。


それをおさえただけでオプション取引マスターになれるわけでは絶対にありませんが、取っ掛かりとして、まずは単純化してその点をおさえておけば、オプションの理解がぐっと早まります。


「コールは株価と一緒に上がる、プットは逆の動き」

 ・・・ズバリたったそれだけのこと、この1文が、実践的に最重要となるオプション取引の核ですね。



せっかくなのでここで、オプション取引の凄まじさが見て取れる具体例を示してみましょう。


私は現在、Eastman Kodak (KODK) のオプションを取引しています。


以下は私がエントリーするより前の話、KODKの株価が急騰を見せていた日のオプション価格表(「オプション板 」と呼ばれるものでしょうか。英語だとOption chainです)ですが、説明に使えそうだと思って、画像を撮っておきました。

現地時間1月9日、KODKはこの日、株価が前日比3.70ドルアップの6.80ドルで取引を終えていました。変化率でいうと、前日比+119.35%の超大アップです。

ストップ高の存在しない米国市場ならではの値動きですね。


それだけでも凄いのですが、KODKのオプション価格はこの日、どうなっていたのでしょうか。

KODK株の、1月9日取引終了時のオプション板

オプション板にはとにかく項目があり過ぎるので初めて見た方にはややこしいと思うのですが、詳しい説明はまた次回以降にしようと思います。


今回インパクトを示すために見ていただきたい点は1つ、「オプション評価額の、前日からの変化率」です。


一番大きく上がったのは、2月限(上から2つ目、Feb18)、行使価格(中央の柱にある数字)7.5ドルのコールオプション(左側)で、なななんと、まさかの、 前日比+5800%、つまり1日で価格が59倍になりました。

(上のほうで出していた書き方で説明すると、これは、『KODK株が、2月第3金曜日に、株価7.5ドルに上がっている予想』が、1.50ドル程度でやり取りされている、ということですね。 ちなみに前日までは、この予想は、0.025ドル程度でやり取りされていました。まさに一夜で60倍ぐらいの価格になったということですね)


59倍というのは、1万円投入していたら59万円に、100万円投入していたら5900万円になる倍率のことです(当たり前)。


たった1日ですよ。1年で59倍も中々あり得ないのに、1日で59倍です。


ここまで行かなくとも、他の項目を見渡してみても、「株価が上がったら上がる」性質のコールの価格は、軒並み前日比+500%(6倍)とか、+2700%(28倍)とか、ものすごく景気のいい数字が並んでいます。


KODK株価が+119%をマークしていた日、それももちろん凄いのですが、KODKコールオプションの方は文字通り桁違いの、最高で+5800%の上がりをマークしていた・・・オプション買いの凄まじさ、ご理解いただけるでしょうか・・・?


私がなぜ米国株現物取引でもなく仮想通貨でもなく、米国株オプション取引で投機的投資を行っているのか・・・その理由はこの、「株価の変化率に対して、オプション価格の変化率は、時に仮想通貨など目じゃないぐらい凄まじく巨大な数字を叩き出すという1点につきます。


もちろん、これは滅多にない最高のシナリオであり、後から振り返って「凄いなぁ」と言うのは簡単ですが、実際このポジションを事前に取ることはほぼ不可能に近いでしょう。


さらにいうと、全く逆の話、もしKODKのプットオプションを購入していたら、例えば一番右上の項目にあるように、1月限の行使価格2.5ドルプットは、1日で前日比-87.50%と大暴落してしまいました。

(より正確にいえば、Bid=買い注文最高入札価格が0なので、買いたい人が誰もいない状況、つまり事実上紙くず化しています。いわば、前日比-100%、このプットに投入していた資金は、1日で破産、0になりました。

 また、「株価が上がったら下がる」性質のプットなのに、プットの中には一部値上がりしているのもあるのですが、それは、オプションの価格を決める要因には「株価の動き」のみならず、「ボラティリティの大きさ」もあるためで、極めて大きく株価が動きその銘柄のボラが大きくなった場合は、その影響で普通とは違う動きを見せることもあります。ただしそれは完全な例外で、実際私自身ほぼ始めて見たぐらいの感じです。その辺りのオプション価格に関する詳細の話も、またいずれ機会があれば説明してみたいと思っています)


ともかく、このKODK株価超アップの直前にプットオプションを買っていたら撃沈していたことになるので、オプション買いにはリスクも存在する、というのは忘れてはいけない点になりますね。


ただし以前もオプション取引紹介のさわりの記事で述べた点ですが、極めて重要なポイントとして、現物口座でのオプション買い取引では最大の損失はこの通り投入資金がゼロになるまでで、借金を負う可能性はゼロ、絶対にありません


それなりのリスクがある取引ではありますが、私は、借金を負う危険性が一切存在しないという事実と潜在リターンの大きさとから、オプション買い取引は非常に魅力的なものであると思います。


また、いずれ触れますが、オプション取引ではこういったハイリスクハイリターン取引以外にも、「配当のない保有株から毎週収入を得る取引」など、 他にも非常に魅力的な様々な形の戦略を取ることが可能です。


とにかく米国株オプションほど優れた金融商品は、私の知る限り存在しません。


少しでも魅力をお伝えできれば幸いに思います。



まだ説明したいことのさわりにすら進めていませんが、今回覚えて帰っていただきたいことはただ一つ、オプション買い取引では、

コールオプションは株価が上がれば値段アップ、プットオプションは株価が下がれば値段アップ

⇒株価の上がりに賭けたいならコールを買い、株価が下がると予想するならプットを買う


という点ですかね。


極めて単純化していますが、実に分かりやすいと思います。



もちろんこれだけではまだまだ実戦の場で戦える話には到達していません。

その点含め、基本的な部分の説明が終わったら、このKODKのオプション板を用いて、より詳しく株価の動きとオプション価格の動きについてを解説していこうかと思っています。


この米国株OP取引解説記事、話題のない週末なんかにでも進めていこうかと思います。

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