2018年1月28日日曜日

米国株OP取引の実践的解説2:最大の弱点は、国内に取扱い証券会社がないこと

(前→その1:コールとプット / 次→その3:オプション買い取引・損益の実際

2回目にしていきなり「実践的解説」から外れますが、これまでアップしてきた実践的な取引活動報告をお読みになった方の中には、割と上手くいった例を示せましたし、「米国株オプション取引はとても面白そうだ」と思われた方もいらっしゃるのではないかと思います。

・・まあいないかもしれませんが、私がもしオプション取引のことを全く知らない時にこれまでの記事を見ていたとしたら、間違いなく興味を持ったように思います。


しかし、米国株オプション取引は、米国株取引に比べて、現在全く普及していないと言っても過言ではない状況でしょう。


今さらな話ですが、米国株オプションがこれだけ優れた金融商品でありながら、なぜほぼ全くといっていいぐらいに普及していないのか・・・

それは、間違いなく、国内の証券会社で取り扱っている所が存在しないことに理由があると思います。


私が知る限り、2018年1月現在、米国株オプション取引の行える日本国内の証券会社は存在しません。


それでも米国株オプション取引をやっている方は、実はそれなりの数いらっしゃるようですが、その方々は米国に本部を置く証券会社に口座を開いて行っているようです。


日本で米国株オプション取引(その他世界の様々な市場での取引も)を行うなら、IB証券


私の調べた限り、日本国内から米国株オプション取引を行うならば、IB証券が事実上1強状態にあるように思われます。


気になる方は「IB証券」で検索してみてください。


残念ながら私はIB証券を使ったことがないので、詳しい紹介はできません。


なお、使ったことのないサービスをアフィリエイトで紹介するというのは自分の美学に反するため、口座開設リンク等も貼りません(そもそも紹介サービスがあるのかどうかも分かりませんが・・・)。


ただ、調べたら、実際に使っておられる方によるこちらの記事が、非常に分かりやすくしかも面白い内容でまとめられていたため、紹介させていただこうと思います。

アフィリエイトでもないのにインタラクティブ・ブローカーズ証券の紹介記事を書く(Shintaro Toyoguchiさんによる、Medium内の記事)


2016年11月の記事ですが、今でも概ね問題ないでしょう。



手数料も極めて安いのがIB証券の売りのようですが、米国株オプション取引について調べてみたら、不当に高くはないですが、枚数を重ねるとちょっと高くつくかな、という気はしちゃいますね。

IB証券:オプション - 北米料金体系より


私は昨日GEのオプションを0.38ドルで100枚購入しましたが、私の使っている証券会社での手数料は25.21ドルでした。

IB証券の場合、70ドルもしちゃいますね。

買って売っての往復だけで、合計140ドル、1万5千円もしちゃいます・・・結構痛いですね。


まぁそれでも、それだけの手数料をかけても、米国株オプション取引は十分やる価値のある取引ではないかと思います。


そもそも私の証券会社でもかなりの手数料なんですが、オプションは非常に多岐に渡る項目が存在しているもので(1銘柄に数百項目の商品があるのはざらです)、これだけの複雑な取引体系を運営し、維持していただけるのであれば、この手数料も全く高いとは思わないレベルです。


・・・っていうか私自身、よく見たら100枚のオプション売買往復で5000円以上も払わされていたんですね。

ドルだと小さく見えるし、オプションで動く資金はかなり大きいことが多いので気にしてませんでしたが、円で見ると割とビックリです。


いやぁ~、手数料5000円ですか、もうちょい気をつけて取引した方がいいですね。

まぁそれでも私は、そんな手数料みたいな瑣末なことは気にせず、米国株オプション取引を続けることでしょう。

それだけの価値は本当に十分あると思います。



あ、あと、やや高額な手数料以外にも、海外口座の場合、やはり送金に時間と費用がかかること(これは上で紹介した記事でも触れられていますが)、それから税金申告が非常に煩雑になる(らしい)こと、というデメリットはあるかもしれませんね。

でもそれも、その手間や費用よりも得られるものの方が間違いなく大きいと個人的には思うので、米国株オプション取引が面白そうだと思われた方は、ぜひチャレンジされてみてはいかがでしょうか、と思ってやみません。


(※追記注:Kさんブログのコメント欄でIB証券の話になった時に少し調べたのですが、IB証券に限らず、海外証券会社を使ってのオプション取引にかかる税体系は、雑所得の総合課税、すなわち仮想通貨取引と全く同じ税体系であるので、以前の記事(仮想通貨投資が危ない理由:税金が重すぎる)で書いたのと全く同じデメリットが、オプション取引にも存在することになります。

確定損失の次年度繰り越しも不可能ですし、これは・・・正直、その1点からのみでもオススメできないレベルになってしまう、極めて大きなデメリットですね。

オプション取引ファンとして、いつかこの利用者に圧倒的に不利な税制から、この際特定口座でなくてもいいので、申告分離課税に対応する形に変わってくれることを願わんばかりです)



以上、大した話でもないですが、 米国株オプション取引を行いたい方は、海外証券会社(恐らくIB証券がベスト)に口座をお作りください、という話でした。


ちなみに、口座開設の解説はしませんよ。

そもそも私自身IB証券の口座を開設したことがないのでできないということもありますが、それ以前に、オプション取引はやはり株取引よりは複雑なものですので、それぐらい自分の力でできない人は手を出さない方がいい、という面もあります。

公式の情報を見て指示通りに申請する、もし分からないことがあれば公式宛(この場合IB証券) に質問する、それができない人は、株・オプション取引に手を出すべきではないと個人的には思います。


(※追記注:これもKさんブログのコメント用に調べてた時に知った情報ですが、口座開設時に、最低100万円の入金が必要になるとのことです。

https://www.interactivebrokers.co.jp/inv/jp/main.php#collapse05T 「初回のご入金及び株の入庫について」タブより

一応、開設後即座に出金すれば戻せる資金なので「一時的に必要な資金」でしかないですが、IB証券では、毎月「10ドル-取引手数料」の額の口座維持手数料がかかるようなので(参考:必要最低額)、開設後取引をせず放置していたら手数料を引かれ続けてしまう点に注意ですね。

なお上記の式から明らかですが、取引して10ドル以上の手数料さえ払えば、この維持手数料は無料になるので、普通に利用している限り、この維持手数料を気にする必要はなさそうです)



最後に割とどうでもいい話ですが、以前の記事で冗談っぽく「私の夢は会社を作ることです」などとほざいていたのですが、もし投資で大成功し、莫大な資本金が生まれたら、その巨大な自己資本金を活かし、国内から気軽に米国株オプション取引が行える日本国籍の証券会社をぜひ作りたいと思っています。

本当に、国内に無数にいらっしゃる超有能な個人投資家の方が米国株オプションに手を出したら、一体どれくらいの利益を出せるのか、ぜひ見てみたい!!


目標は、手数料ゼロの株式売買アプリ・Robinhoodの日本語ネイティブ・オプション込み版みたいなものを作ることですね。

可能であれば、業界初・手数料無料の、オプション・先物・仮想通貨取扱証券会社なりツールなりを作りたいです。


まぁ、夢は語るだけならタダだ、という話かもしれませんが、もし投資で非常に甚大な額を得られたならば、それを後世に還元すべく、必ず作ります。

「作りたい」ではなく、作ります。

莫大な資金力でなるべく他人の力は借りず、有無を言わさずに、ユーザーに一番便利な証券取引ツールを、絶対に作ります。


・・ま、でもやっぱり、成功してから言えという話ですね。


まずは米国株オプション取引が本当に素晴らしいものであることを、自分の手で実証していけるように精進しようと思います。



※この記事から時間も随分経ってからの追記

この時は「IB証券がイチオシだ」と書いていましたが、2018年8月、Firstradeというこれまた米国に籍を置く証券会社が、「オプション取引含むあらゆる取引で手数料無料」という凄まじいサービスを開始しました。


日本国内からでも口座開設は可能なようなので、現在、米国株オプション取引を行ううえで、圧倒的オススメはFirstradeです


実際私自身も2018年10月に口座を開き、手数料無料の恩恵に与りながら取引をしています。

2018年10月以降の記事でFirstradeについてしばしば触れているので、よろしかったらご覧下さい。

Firtstrade、オプション取引まで含め手数料無料!でも、そんなビジネス、一体どうやって可能なの?
(↑の記事などなど。相変わらず口座開設については一切タッチしていませんが・・・)

12 件のコメント:

  1. 初めまして
    米国株のオプション取引を始めようと思い、どの証券会社が良いか調べていましてこちらのブログにたどり着きました。
    質問ですが、ウコンコウさんはどちらの証券会社を使っていらっしゃるのでしょうか?

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    1. APPさん

      コメントありがとうございます。

      私はE-Tradeを使っていますが、口座を開設したのが結構前で、私の口座に適用される料金体系は現在のものと異なるはずです。

      詳しく見てませんが、確か(特にオプションの枚数を重ねて買う場合)結構利用者不利な形になっていた気がするので、今開くなら、私なら別の証券会社を探すかもしれません。

      使い勝手としては、全く問題ないと思いますけどね。やっぱり手数料は重要なので、最安の証券会社を探されるのが一番かな、と思います。

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    2. ご返信ありがとうございます。
      E-trade参考にさせて頂きます!
      まだまだOP取引について無知なのでもう少し調べてみます。

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    3. まぁ、もちろんリスクについてはしっかり把握された方がいいと思いますが、やってみなきゃ分からないこと、やった方がよく分かることも多い(というかほとんど)ですからね。

      ごく小額で、実際にやってみるのが一番ではないかと思います。

      お互い頑張りましょう!

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  2. 米国オプションの解説を探して、たどりつきました。
    他のweb、書籍に比べて、本当に実践的でわかりやすいです。ありがとうございます。

    さて、これから米国オプション取引を始めたいと思っているのですが、
    1点懸念なのが、この記事でも触れられている通り、手数料です。

    記事では、GEのオプションを0.38ドルで100枚購入した場合、「IB証券の場合、70ドル」と記載されていますが、売りの場合、「スマートルーティング」以外にも手数料がかかります。

    ざっと計算すると、
    ORF:0.0378×100=3.78ドル
    取引手数料:0.000013×(0.38×100)=0.0494ドル
    FINRA=0.002×100=0.2ドル
    OCCクリアリング手数料=0.05×100=5ドル
    合計すると、9.0294ドル

    70ドル+9.0294ドルで、約79.02ドルですので、
    手数料率にすると、2.08%にもなります。
    (70ドルでも、手数料率は1.84%)

    ちなみに、225OPの手数料率は、総じて約0.2%です。

    IB証券は日本語でのサポートが魅力的なのですが、
    この手数料率ですと、オプション取引の妙味はかなりそがれると考えていいでしょうか?

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    1. enoroxyさん

      コメントありがとうございます!

      おぉなるほど、単純なオプション取引手数料以外にも、その他雑費もかかるものなんですね(まぁ見落とすのがおかしい、当たり前な話だったかもしれませんが)。

      そうですねぇ、もちろん225オプション等と比較して圧倒的な割高さになってしまいますが、個人的には、まぁ2%であれば、得られる潜在的利益の大きさ・利回りから考えて許容できるかな、という気がします。…が、こればっかりは取引スタイルや性格にもよるので、取引妙味がそがれるかどうかは、一般化できない話かもしれませんね。

      手数料の時点で2%を超えるとなると、取引対象から外さざるを得ないと思われる方がいても、何ら不思議ではないと思えます。

      ただし繰り返しですが、私自身は、2%程度であれば気にせずガンガンチャレンジすると思います。


      …がしかし、記事内の追記でも述べていますが、手数料はまぁ許容できるものではあるのですが、米国株オプション取引にかかる税制、雑所得・総合課税というのは、これはハッキリ言って他人に薦めにくくなるどころか、自分自身、もしこの税体系なら手を出すことはしなくなるかも…と思える極めて大きなデメリットですね。

      特に私の場合猛烈な額の損失を出すことが多いので、「次年度への損失繰越しができない」ことは、本当に致命的です。

      もちろん例えば売りメインで、なるべく安全を期して、バカげた額の損失を出したりしない方であれば、雑所得扱いでも手間以外のデメリットなく、何とかやりくりできるかもしれませんが、やはり一般的に言ってこの点はあまりにも大きな足枷かと思います。


      enoroxyさんも、これから米国株オプション取引をIB証券で始められるのでしたら、税金に関しては十分ご注意されることを推奨します。


      でも、それでもやっぱり魅力的なのが米国株オプション取引だと思うので、個人的には、挑戦されることに賛成したい限りです。

      enoroxyさんが個別株オプションを楽しんで、しっかりとした利益を上げられること、そして近い将来日本の海外証券デリバティブ商品の税制が改正されること、心から願っております。

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  3. ご丁寧な返信コメントいただき、誠にありがとうございます。

    手数料率は、現実的に、米国オプションを取引できるのは米国の証券会社に限られるので、やはり仕方ないのですね。

    米国株オプション取引にかかる税制の件も、ご指摘いただき、ありがとうございます。まだまだ知識も経験もないのでこれから勉強したいと思います。

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    1. ご丁寧にありがとうございます。

      手数料も、税制も、若干厳しいものがあるかもしれませんが、やっぱり個人的にはそれでもやる価値はあるように思えますねぇ。

      enoroxyさんが楽しい米国株オプションライフを送られることをお祈りしてます!

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  4. すいません。別件で、お尋ねします。

    いざ、取引をしようと思ったところ、weekly optionの方が、monthly optionよりも権利行使価格の刻みが小さいことに気づきました。
    これはなぜなのでしょうか?
    (例えば、IBMだとweekly optionは1円刻みなのに対して、monthly optionは5円刻み)

    権利行使価格の間隔が細かいweekly option の方が、きめ細かい取引ができるように思うのですが、やはりmonthly optionの方が流動性は高いので、反対売買のことを考えると、こちらを選ぶべきでしょうか?

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    1. enoroxyさん

      お久しぶりです、コメントありがとうございます。

      権利行使価格の刻みですが、monthly商品の幅が広いのは、monthlyは割と結構古くから設定されるものであり、設定当初はそこまで細かい値段をつける意味がない・細かく設定しても無駄に煩雑になってしまうだけである、というのがその理由かと思います。

      ものによっては2年前ぐらいから満期が設定されるわけですが、そんなに先のものに対して、1ドル刻みとかやっても、遠い未来のことに対してそんなに細かいことは分からないからあまり意味がないですし、取引所側の管理も大変なんですね。

      一方weeklyは、大体1ヶ月先程度までしか存在しないので、満期が近付けば近付くほど取引量も増えますし、直近の動きなら十分細かく読みたくなるため需要もありますから、行使価格が沢山あってもまぁ意味があるだろうという判断で、weeklyのものは基本的に沢山項目が設定されているのだと思います。

      よって、そういった理由から、monthlyのものも、満期が近付けばある日突然行使価格が増えるはずだと思います。

      実際、例えば今週満期のオプションはmonthlyのものだったわけですが(現地時間金曜は祝日なので既に満期を迎えましたが)、これを見ると、どの銘柄でも基本的にweeklyと同じ細かい設定の行使価格があったと思います。

      なので、現在遠い満期のものは項目が少ないですが、ある日いきなり行使価格が増えます。

      実際、どういう基準で行使価格が増えるのかは、基本的にCBOEの判断による所が大きく、イマイチ把握していません(大まかな目安はあるんでしょうが、銘柄によっては直近になっても項目が増えないこともありますしね)。

      …が、メジャーな銘柄の場合は、恐らくそれが最も近いmonthlyオプションになったぐらいのタイミングで、行使価格の項目が増える感じではないでしょうか(繰り返しですが、実際注意して観察したことがないので、多少違うかもしれませんが)。


      ということで、monthlyでもその内小さい行使価格の刻みが出現してやりやすくなると思いますが、後から増えても意味がないといいますか、買おうとした時に幅が広すぎるとちょっと手を出しにくということもありますし、個人的にはやっぱりweeklyがやりやすいかな、という気がします。


      流動性に関しては、我々末端個人投資家が意識する必要のある話ではないように思います。もちろん流動性が高ければ高いほどBid-Ask幅が狭くなって、行使価格の幅と同様、これもやりやすくなることは確かなんですが、そもそも遠い満期のオプションは全体的に価格が高めですから、流動性が高くても結局Bid-Askは結構広くなっている感じですしね。

      米国株オプションは非常に上手く運営されており、「どうしても売りたい時に全く売れない」ということは原則としてないので、よっぽど1万枚単位で取引とかする大型機関でもない限り、流動性を意識する必要はないでしょう。


      もちろん、今さら言うまでもありませんが、満期まで近すぎると逆に値動きが激しすぎて博打性が強すぎるので、これまたあまり推奨できるものではないんですけどね。

      でもやっぱり、個人的には、weeklyが存在するぐらいの近い満期のやつがやりやすいかな、と思います。


      あくまで個人的な意見のみの話でしたが、参考になりましたら幸いです。

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  5. ウコンコウ水兵 様
    とても、わかりやす解説でした。ありがとうございます。

    オプションに関する書籍をいろいろ買ってますが、戦術的なものは書いてあっても(それも実践的でない解説が多い)、基本を押さえていないものがほとんどなので、大変、参考になりました。

    例えば、「1単位100株」のような基本中の基本も書いていない書籍がほとんどですね。書いている人は取引のベテランなので、今さらって思って端折る、一方、編集者は知識も経験もないから、その基本が抜けていても指摘できない、という構図があるような気がします。

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    1. ちょっとでもお役に立てていたら何よりでした。

      私は書籍の類は一切読みませんが(自分で考えたいから、というカッコつけた理由よりも、単に面倒くさいため)、自分が役に立たないと思う本も他の誰かにはとても役に立っているかもしれないし、自分にとって分かりやすくためになる内容は他の誰かには簡単すぎてつまらない(または難しすぎて意味が分からない)のかもしれない、なんてことが往々にしてありそうですし、中々誰しもにとっての良書というのは難しいのかもしれませんね。

      個人的にはやはり経験に勝るものはないように思うので、とりあえず無理のない範囲で何事もやってみるのが最善かなと思います。

      enoroxyさんもついに実戦の場に踏み込まれているようですが、ご武運を心よりお祈り申し上げます。

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※特に意味もないかなと感じたので、コメント承認ステップはなしにしました。
投稿後、即座に反映されるのでご注意ください。