2018年1月24日水曜日

GEは解体しません

GEオフィシャルサイト、2016年次報告・CEOからのメッセージビデオの1コマより


まあ、私の意見じゃないんですけどね。

様々な執筆者が記事を投稿する、経済系ニュースの巨大サイト・Seeking Alphaから配信されていたばかりの記事の紹介です。


「現地の声を、日本に届く前に日本語でお届けする」というのは、 一応立派に独自のコンテンツに当たると見た記憶があるので、たまにそんな記事もアップしていこうかと思っている次第です。




さて、GEです。


なぜ今回GEに着目したのか?


それは、 GEの決算報告がもうあと数時間程度で行われるので、これに注目しないのは米国株投資家としてあり得ないと思ったこと・・

・・もあるのですが、以前挙げました我流投資の要2「下落中の企業が大きく急落したらチャンスか?」という視点から、実はGEをターゲットロックオンしており、もし決算がダメダメで失望売りが殺到するようだったら、ちょっとエントリーしてみようかなと思っているためです。


もちろん、これまた以前挙げましたインサイダー取引情報の記事で見た通り、GEはディレクターの1人が大きくインサイダー買いをしていることが報告されています。

したがって、長い目で見れば必ずGEは復活すると思っています。

ただし、短期的な視点からは、もうひと下がりすることも十分あるのではないかと思っているという形です(特に決算が悪かったりしたら)。


ですがまあ、どうなるかは全く分かりませんし、相当の悪決算&悪いニュース発表のダブルパンチでもない限り、ごくごく極小額の資金を使って様子見程度のエントリーにしておこうかなとは思います。


一応、もし失望が大きい決算だったら、ショートポジションを取ろうかなと考えているという感じですね。
(プットオプション買いなので、厳密には『ショートポジション』でもない気もしますが、まあ意味は通じると思うので適当に流してもらえればと思います)


逆に好決算だったら、特にポジションは取らず様子見すると思います。

決算が悪かったらエントリーするかもと構えてはいますが、GEホルダーの方々の歓喜の声の方が遥かに楽しみなので、完璧な決算を心の底から願っています・・・!!



前置きが長くなりました。

最近、GEは「解体するかも」的なニュースで株価がだだ下がりでしたが、以下の記事によると、解体はあり得ないそうです。

GE:完全解体は起こらない(Seeking Alphaより)


簡単にポイントだけかいつまんで紹介させていただきましょう。

・解体は大きな費用がかかる煩雑なもので、企業価値の崩壊を引き起こすだけと思われる

・よりあり得そうなのは、特定の子会社の売却または一般公開だ


多くのアナリストが「GEの解体は短期的には価値の崩壊を引き起こすだけかもしれないが、長期的には利益をもたらし得るであろう」と述べている。

しかし、それは本当なのか・・?

その主張を述べていた別のSeeking Alphaの記事では、その分析理由が一切述べられていなかったが・・・。


・・という所から、以下記事の大半を使って、GE帝国の中にあって優れた部門であるとされているGEキャピタルがいかにダメであるかを、信用格付け保険ビジネスの巨額赤字GEキャピタル単独の帳簿上の価値の観点から、具体的な数値を用いてとうとうと述べ続けられています。


結論としては、GEキャピタルは、単独企業としてはとてもじゃないがやっていけず、GE本体からの分離は、GEキャピタル・親会社双方にとって、「負のシナジー」しか産まないものであろうとしています。


負のシナジーに関しては、さらに掘り下げて、インフラ税金やキャッシュフローといった資金面・金融市場へのアクセスという側面からさらに述べられています。


インフラに関しては言うまでもないでしょうが、例えばガスタービンとジェットエンジンの作製などは似た工程が多く、ノウハウやリソース、人的資源を共有できるわけですし、企業解体による分離化は間違いなくデメリットしか生まないのは明らかです。


資金面については、解体してしまうとこれまで用いていた税率軽減手法が通用しなくなり間違いなく企業価値の崩壊につながること、

さらに、「トレンドとなるセクターは常に変わる。今はヘルスケアと航空部門が好調で、電力と鉄道部門が終わっている。このトレンドがすぐに変わることはなかろうが、いつか好調部門もピークアウトすることになろう。その時に、様々な部門を抱える複合企業であることは、キャッシュフローのヘッジにつながる」という面白い視点からも、解体のデメリットが述べられていました。


金融市場へのアクセスも、改めてGEキャピタルの信用格付けはGE親会社があってのものだといった話を引き合いに出し、解体による最大の負のシナジー効果はこの信用プロファイルの失墜にあるであろうとしています。


最後にSOTP評価(sum-of-the-parts;複合企業の、各部門を合計した時の価値評価)の観点が述べられています。

解体推進派は、現在のGEの株価はSOTP評価よりも低くなっているから、解体して各独立企業本来の価値に戻すべきだとしているものの、執筆者は、「SOTP評価は、GEのような各部門が相互に強くつながりを持った企業に対しては適する評価系ではない」とし、「GEの解体後の価値は11ドル~15ドルだ」と述べているBarron'sの記事も引き合いに出して、解体が必ずしも価値の解放にはならない・そしてむしろ現在の株価はプレミアムがついているから、GE株価の底値は今より下かもしれないことに注意だ、と主張しています。


最終結論としては、 短期的にGEが完全解体することは上記の理由からまずもって考えられない、むしろ資金繰りのために、資産や複数の部門の売却や一般公開の方があるのではないか、としています。

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このコングロマリット企業(複合企業)の巨人のニュースを見るにつけ、私がいつも思い出すのは、我らがソニーです。


米国株ブログなのでADR(米国市場に上場している米国外企業)のデータを用いますが、SNEは2012年には1桁ドル、9ドル台になっていました。


Nasdaqの全期間チャートより

当時、ソニーは完全に終わった企業扱いされていましたね。

ところがどうでしょう、今や株価は50ドル超えです。

5年で5倍以上です。

2000年頃の株価150ドルぐらいにはまだ及びませんが、日本に本社を置く多国籍コングロマリット企業として、今後もさらに伸びていくようにしか思えません。


きっと、GEも同じ道を辿るのではないでしょうか。

一時的に下がっても、歴史と伝統のある巨大企業はそうやすやすと没落はしないでしょう。

GEの決算はもう間もなく、現地時間24日水曜日の市場開始前、これは本当に楽しみです!!



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あ、最後に、ポジション保有中のKODKですが、案の定本日はそれなりに下落してしまいました。

Nasdaqのチャートより

現在の評価額は2万9875ドル、昨日より3250ドルも減ってしまいましたが、まだまだ大きく含み益なので、粘ります。

チャート的には、もう本当にやばそうな気しかしませんが、今一度、謎の急騰に期待です・・・!

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