2018年11月4日日曜日

Firstradeにおけるオプション取引の注意点


先月から使い始めてちょこちょこ取引をしている取引手数料完全無料のFirstrade証券なんですけど、前回まとめた通り、割と使いにくいというか、「使う人の気持ちに立っていないなぁ・・・」と思える不親切なツールの仕様なんかはあるものの、やはり無料の良さには敵わないということでオススメしていました。

しかし、つい先日、オプション買い取引をする上で1点非常に注意しておくべき点に遭遇したのでご参考までにまとめておきます。


コトが起きたのはこないだの金曜日なんですけど、いつものように、既に時間価値がほぼ0であり、メチャクチャな値動きを見せてくれる当日満期のオプションを買って遊んでいました。


満期当日のオプション価格の動きが凄いのは、以前何度か触れていたように思います(触れずとも、オプション価格の仕組みを知っていれば明らかですが)。


例えばその時の株価が14.5ドルの株の、その日満期の行使価格13ドルコールとかは、ほぼ本質的価値すなわち差額分の、1.5ドルちょい(例えば1.55ドルとか。その銘柄のIV(ボラ)にもよりますが)で買えて、例えば引けまでに株価が+4%弱、15ドルにまで上がってくれれば、1.55ドルで買ったコールは上がった株価と行使価格との差額=2ドル以上、残り時間にもよりますが2.05ドルとか2.1ドルとかで売ることが出来るわけですね。

つまり、一瞬で+30%以上!

もちろん逆に動けば一瞬で-30%未満に暴落もあり得るわけですが、その辺はもう何度もオプション取引の実例で見てきた話なので繰り返す必要はないでしょう。


あぁでも一応ちなみに、当日満期のアウトオブザマネーオプションに突っ込めば、さらに凄まじいリスクですが凄まじいリターンになり得るというのも、時間切れ直前オプションの面白さですね。


確か2週間前の金曜日、値動きが激しい銘柄であり、しかも非常に下がりそうな気配をしていたのでちょうどAMDの株価とオプション板を見てたんですが、実際AMD株価はこの日27ドル超から24ドル割れまで一気に-10%超も下落しまして、午前中、ほぼ紙くず化必至なアウトオブザマネーであったため0.01ドルすなわち約1円出せば買えていた例えば行使価格25ドルプットなんかは、引け間際には株価との差額で1.5ドルぐらいにまで上がっていました。

数時間で150倍!!


実際その動きをほとんど最初から最後まで目にしていたんですが、あれよあれよと下がる株価にどうも「今更プットを買っても・・・」としか思えず、手を出すことは結局しなかったのが残念なんですけどね。


まぁ、ハイリスクハイリターンの極地、もちろんあの日逆に「AMDは反発するはず!」とアウトオブザマネーのコールを買っていたら、一瞬で投入資金は全て0、全額スってしまっていたわけですので、あまり褒められた取引ではないでしょう。



そんなわけで私は多少安全に、先日金曜日はインザマネーのオプションを買って遊んでいたのですが、ここでようやく本題に。


実際買ってたのは金鉱株ブル3倍ETFのNUGTなんですけど、大体以下のチャート画像の1つ目のポインタを合わせた所ぐらいで、ちょうど上の方で例として出していた話と似たような感じで、行使価格13ドルのコールを買っていました。

https://www.google.com/search?q=NYSEARCA:NUGT

まぁチャートにある通り、コール購入直後からNUGT株価は下がってしまったので、ヤバイかなとは思ったんですけどね。行使価格である13.5ドルはインザマネーコールのままでしたし、粘ったわけです。


最後の最後、午後3時を回ったぐらいからNUGTはまた伸びを見せてくれまして、「ギリギリ終了直前まで粘って利益を上げる!」と息巻いていたんですが、午後3時33分、オプション板をクリックしながら見ていたら(Firstradeは価格の自動更新がないので、クリックして更新)、いきなり「約定のお知らせ」が!!


「えぇ~、間違って注文送信したか?!いやいやそんなわけないべ!」と混乱するも、中途半端に、ちょうど上のチャートで前日終値を超える直前ぐらいの少し下がったような酷いタイミングで売却取引成立してしまったのは、何度見ても間違いない・・・。


これはおかしい、何たることだ、こんなことは許されない・・・と、早速Firstradeのカスタマーサポート、ライブチャットに質問です。


ウ「今日買った本日満期のオプションが、注文を出してないのにいきなり約定したんだけど、なぜ?」

F「調べてみます。口座番号をどうぞ。・・・・・・なるほど、購入されたオプションの権利を行使することになった際に、口座内の買付け余力が不足することになるため、安全のためにこちらで売却処理を行いました

ウ「はぁ?!いやいや、そんなことは分かってるし、そうならないように、取引終了時点までに自分でちゃんと売却するつもりだったんだけど」

F「Eメールで午前中に警告のメッセージを送っていたはずです」

ウ「いや、何も来てないよ」(※本当に何も受け取っていません)

F「それはご迷惑おかけしました。しかし、リスクを抑えるため、権利行使時に行われることになる取引に対し資金が不足している場合、こちらで売却処理を行わせていただくことになっています。ご理解ください」

ウ「いやいやちょっと待ってよ。そんなミス絶対しないし、実際そんな勝手に売却されるなんていう情報目にしてなかったんだから、それはちょっとフェアじゃないんじゃない?これで実際私がやろうと思ってた取引より損したら、賠償を請求するよ?」

F「しかし、お客様はその処理に同意いただいているはずです」

ウ「いやいや、そんな話聞いてないよ~。どこで示されてた?マジでそんなの見た記憶ないよ?」

F「(例の、誰も読まない、最初に同意ボタンを押される契約約款みたいなののコピペ:「オプション取引について、潜在的リスクを理解し、自己責任で行うことに同意します」みたいな内容)」

ウ「いや、全然勝手に売るとか言ってないじゃん」

F「(続いて更に別の条文の長文コピペ:「Firstradeは、リスクを抑えるために、お客様のポジションの売却を当社の手で行う可能性があります」うんぬんもあった気がします)」

ウ「・・・ぐ、しかし、どこにも具体的な制限時間や実施条件が記述されてないじゃん!」

(・・・と、 反論したかったのですが、これは正直無理だなと思ったので、やめておくことにしました)

ウ「・・・まぁ、もし取引手数料が無料じゃなければ、『さすがに連絡の落ち度があったお宅も悪い。不当な処理をされたので、損失分の取引手数料無料権をよこせ』と言っていたと思うけど、Fristradeはそもそも手数料無料だし、客に損失分の現金を送るのは極めて難しいことは流石の私にも分かるよ。今回は多分損失は数百ドルぐらいになりそうだけど、これはもう勉強代と思うことにするよ。ところでその『安全のために勝手に売却する』とかいうお節介機能いらんのだけど、やらないでいいですという設定には出来ないの?」

F「将来的にお客様に全て任せる設定にすることも計画中ですが、現在はございません。ご自身の責任で売却されたいのであれば、自分でやる旨を、このオンラインチャットかお電話でその都度お申し付けください

ウ「(マジかよ面倒くさいな・・・)了解。じゃあ今後同じ状況になったら、チャットに連絡するよ。連絡すれば、全部自分で処理できるんだよね?」

F「ご自身で処理されるという連絡があった場合でも、取引終了の5分前、大体午後3時55分頃になってなお潜在的に余力不足になり得るポジションを保有されている場合、こちらで売却処理をさせていただくことになります。もちろんこの売却処理は、オプションの権利行使に当たり、余力が不足する場合のみでございます。権利行使になっても十分な余力があるのでしたら、当然、こちらからの売却処理はいたしません」

ウ「マジで?!売り忘れとか、そんなミス絶対にしなから、全部好きなようにやらせてほしいけど・・・」

F「忘れることは絶対にないかもしれませんが、万が一、余力不足のまま権利行使になった場合、我々のみならず、お客様ご自身のリスクも極めて大きくなることになります。その旨どうかご留意いただき、この処理にご納得いただければと思います。他にご質問は?」

ウ「ないよ。どうもありがとう」



なお、そのあいさつ後、オペレーターがチャットログをメールで送信ボタンを押す前に速やかに勝手に閉じやがったので、ログを残せませんでした。


以上は記憶を頼りに書いている感じです。



そんなわけで、Firstradeでオプション買い取引を行う場合、満期当日での最大の注意点は・・・


取引時間残り30分を切ったら、証券会社に、勝手にポジションを成行売りされるので注意しよう

自分で取引したいなら、Firstradeに連絡すること。ただし、連絡しても、残り5分の時点で勝手に売り飛ばされる模様



・・・というものになります。


オプション買い取引、特に満期直前のボロオプションを大量買いする場合、大抵の場合100枚とか200枚とか買ったりもして、これはすなわち1万株2万株のやり取りをする権利取引ですから、さすがにその余力が口座内にないことも多いかと思います。

よって、大抵の場合引っかかることになるので、細心の注意が必要ですね。



なお実際は、上で挙げたチャートにある通り、本当にラスト5分でNUGT株価はグググっと上がったので、そこで売れれば数百ドルは高く売れることになっていました。

・・・まぁ、実際持ち続けていたとして、残り5分まで粘れたかどうかは分かりませんけどね。


ちなみに話を単純にするためにNUGTしか言ってませんでしたけど、実は他にももう1つオプションを買っており、そちらも全く同じタイミング(現地時間午後3時33分)で勝手に売却されていたので、この処理は本当に残り30分を切ったタイミングで、有無を言わさず一括処理されるもののようです。


まぁそのもう1つってのはAMDのプット買いなんですけど、2週間前の動きの幻想につられて「今回こそは!」と買ってみたものの、AMDはこの日は全然下がらず、失敗だったんですけどね。

https://www.google.com/search?q=NASDAQ:AMD

自動売却(損切り)後、こちらは株価が大きく下がることはなかった(←プット買いなので、株価が下がるほど価格が上がる)ので、ほんの少しでもまだ時間価値の残っていた内に売却してもらえて、実はちょっと戻ってくる資金は増えていました

でも本当にごくわずかな違いで、NUGTを勝手に売られた損失よりは遥かに小さい増え分だったので、やっぱり全て自分の好きにさせてほしかった・・・ってのが正直な所ですね。



以上、無駄に長くなりましたが、Firstradeをお使いの方で、このような危険なアホ取引(そもそも、こういう丁半博打的なしょうもない取引をするな、という話なのかもしれませんが)をする可能性のある方は、十分ご注意くださいという話でした。


あ、あとそういえば、Firstradeのオプション板で、よく分からない表示があったので、これも金曜日別のタイミングでのオンラインチャットで質問し、回答はメールでその内・・・となっていたので、次回それの紹介でもしてみようと思います(まだ返事はもらえていません)。

全く大した話じゃありませんが、まぁ月1回ぐらいはブログ更新するのもいいかなということで、来月その話をしようかと思っています(あまりにもつまんない話になったら却下するかもしれませんが)。


米国市場はイマイチ冴えない空気が続いていますが、中間選挙やらでまた活気に火がついてくれるといいですね。ではまたその内に。 

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