正確にはETFじゃなくてETNなんですけど、末端の個人投資家には正直どちらも全く同じなので、タイトルではより親しみのあるETFと表記しました。
※注:一応、違いとしては、ETFが「投信会社が投資信託を組成して取引所に上場」するものである一方、ETNは「大銀行等の金融機関が、対象商品の価格に連動する債券を、自身の信用力により発行」するものであるという違いがあります。
この点から、ETNは、ETFと比較して対象価格との乖離(トラッキングエラー)が発生しないというメリットがある一方、発行者である銀行が倒産したり財務状況が悪化した場合、ETNの価格が下落したり取り扱いが廃止されたりする可能性に注意する必要がある、というデメリットがあるようです。
以上の話含めより詳しくは、楽天証券の解説ページ「ETF/ETNの基礎知識」に非常に分かりやすくまとめられていますね。
さて、前置きのご託はともかく、その最強のETNとは一体何なのか?
発表しましょう、それはズバリ、
BMO REX MicroSectors™ FANG+™ Index 3X Leveraged Exchange Traded Notes(ティッカーシンボル: FNGU/FNGD)
です!・・・と言っても、名前だけ見ても何のこっちゃよく分かりません。
分かりやすく説明すると、このETNは、BMOが発行者である、「NYSE FANG+」という割と新しくできた指数に連動し、そこにさらに3倍のレバレッジをかけた値動きをするETN、ということになります。
これでもまだイマイチその中身が分かりません。
順に見てみましょう。
まずは発行者であるBMO、これが何者なのか・・・
最初に述べた通りETNの発行体は金融機関なんですが、ここではBMO、つまり、バンク・オブ・モントリオールがこの最強ETNの作者であり責任者ということですね。
BMOは、モントリオールという名の通り、本部はカナダにある銀行ですが、NYSE(ニューヨーク証券取引所)にも上場しています。
https://www.google.com/search?q=NYSE:BMOより |
株価はよくある銀行のチャートで、リーマンショック時に急落していますがその後は順調に回復、以下のサイトによると、2018年の銀行・時価総額世界ランキングでは、我らがゆうちょ銀行の少し下、42位となっていますね。
参考:世界の大銀行2018
まぁ、どう考えても、倒産の心配をしなければいけないような弱小バンクではないでしょう。
よって、「ETNが将来維持できなくなるのではないか・・?」という心配は、当面なさそうに思います。
さて、そのBMOの、FNGU/FNGDの公式サイトがこちら・・・
https://www.bmoetns.com/ETN/Detail/FNGUより |
上記はFNGUの詳細ページですが、トップには、FNGUのチャートが掲載されています。
今年1月23日に取引が開始されたFNGU、取引開始時に53ドルだった株価は、既に69ドルと、約+29%ものアップを見せています。
ちなみに今さらですが、ETF (ETN) にはしばしばブル型とベア型が用意されており、FNGUはUpですから当然ブル型=対象指数と同じ方向へ3倍の値動き、そしてFNGDはDownのDなのでもちろんベア型=対象指数をプラスマイナスひっくり返して3倍の値動き、という形になっています。
さて、発行者は分かったから、その対象としている指数「NYSE FANG+」とは何なのか?
正直名前から明らかかと思うのですが、こちらは今をときめくFANGと、それに加えていくつかの極めて取引量の多いハイテク銘柄とを、同じ資金加重で組み込んだ指数となっています。
上記公式サイトにある概要シートのPDFに、構成銘柄が掲載されています。
https://www.bmoetns.com/Documents/FNGU/Fact_Sheet.pdfより |
以上の10銘柄を、完全に同じ資金配分になるように10%ずつの等価加重で組み込んでいるということですね。
上記の表を書き下しておきましょう。
Facebook (FB)、Apple (AAPL)、Amazon (AMZN)、Netflix (NFLX)、Googleの母体Alphabet (GOOGL)、Alibaba (BABA)、Baidu (BIDU)、NVIDIA (NVDA)、Tesla (TSLA)、Twitter (TWTR)
どれも説明不要ですね。
この中に名前を見たことがない企業があるという人は米国株投資家失格です、どれも日本語での紹介記事も大量に存在するでしょうから、企業名で検索して、どうぞ。
さて、これら今をときめくハイテク企業10選、このFANG+指数の日々の動きの、さらに3倍の動きを見せるETN、それが、究極最強天下無敵の、ハイパーゴールドラグジュアリーフルオートマチック真ファイナルヴァーチャルロマンシングときめきETN・FNGUだということです。
なお、同じく公式サイトにある目論見書のPDFファイル52ページによると、『現在この指数の構成銘柄はわずか10種と、指数を構成する最小数であるが、将来的には10銘柄以上になるかもしれない』とのことです。
新しくこのハイパーゴールド・・・ときめきETNに組み込まれる銘柄は何なのか、非常に楽しみですね。
しかしETF/ETNといえば気になるのは経費率 (Expense Ratio) ですが、同じく概要PDFにある通り、FNGUの経費率は、年0.95%であるようです(FNGDも同様)。
https://www.bmoetns.com/Documents/FNGU/Fact_Sheet.pdfより |
これが高いのか安いのか大してETFを使わない私には分かりませんが、また楽天証券の方からデータを引っ張らせていただくと、3倍ETFとしては至って普通、最近私の取引していた米国小型株ベア3倍ETFのTZAなんかと完全に同水準ですね。
楽天証券・ETF検索結果より |
概要PDFには、FANG+と、S&P500、NASDAQ指数各トータルリターンとの比較グラフなんかも載っていますね。
https://www.bmoetns.com/Documents/FNGU/Fact_Sheet.pdfより |
とりあえず、そんなの見るまでもなく誰もが「知ってる」としか言えないことですが、この2年間では、FANG+の圧勝です。
FNGUは、この圧勝ペースをさらに3倍・・・圧勝を通り越して、宇宙レベルの神勝、大気圏突破のチャートを描くことが予想されます。
ということで、明らかに究極のETNになることが約束されているかのようなこのFNGU、果たして本当にこいつは宇宙一最強の投資対象なのでしょうか・・・?
長くなったので、次回このFNGU/FNGDについて、もう少しだけ考えてみようと思います。
明日へ続く・・・
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