2018年3月18日日曜日

地上最強ETFの取り扱いリクエストを出してみよう


先週から見ている、現在間違いなく史上最強宇宙一ヤバイETFではないかと思われる、最注目ハイテク銘柄10種であるFANG+指数の3倍の値動きをするよう設定された、FNGU/FNGDです。


色々危険性も間違いなくある3倍ETFではありますが、ミーハー的視点から見ても、どう考えても気になる存在です。


しかし、先週の記事の最後に述べた通り、FNGU/FNGDにはオプションが存在しません


さすがのFANG+3倍の値動きといえども、オプション取引の値動きの大きさには全く敵いませんから、私はどうしてもこのETFのオプションが取り扱われ始めてほしい・・・FNGU/FNGDのオプションさえ出れば、最強ETFxオプション=最強オプションということで、これ以上の金融商品はこの世に存在しなくなるといっても過言ではありません。


ということで、米国株オプション取引の全てを司る公式機関・CBOEにメールで「FNGU/FNGDオプション取引が始まる予定はある?あるならいつ頃?そもそもオプション取引開始に条件はあるの?」といったことを質問してみた、という話を先週既にしていました。


そして無事、メール送信後数営業日経過した、週の半ば頃に返事をもらえました。


回答メールの概要を紹介させていただきましょう。
 
【CBOEからの回答】

現時点では、Cboeはこれらをリストアップする予定はありません。よろしければ、marketservices @cboe.comまで、Eメールにてフォーマルなリクエストをお寄せいただければと思います。

また、新しいオプションリストアップの基準は以下の通りです。こちらはCboeルールブック5.3から抜粋したものになります。


(ルールのコピペ)


・・・という内容でした。


う~ん、残念!!

このままでは、恐らく待てど暮らせどFNGU/FNGDオプションは取り扱われ始めないようなので、リクエストを送る必要があるみたいですね!

そこで、「それではリクエストをそのメールアドレスに送らせていただこうと思う。しかし、フォーマルな形式のリクエストって何?テンプレートとか、含めなきゃいけない情報とかあるの?」という質問文を回答メールへの返信にて再度送ったのですが、これまたまだ返事がありません。


ということでまだリクエストは送信していないんですが、何となくもう当初の質問はクリアされているため「はい、この話はおしまい」ということで無視されるんじゃないかって気もしますし、そもそもどんな形式でもリクエストはリクエストだろうということで、週明けにでもメールを送ってみようと思っています。


適当な形式でリクエストを送信後、「これこれといった形式で、これこれの情報を含めていただく必要があります」的な返事が来た場合、改めてリクエストすればいいだけですしね。

っていうか、別に不備はなくても、「多くの人が待ってますよ」ということを示すべく、別のEメールアカウントからでも複数回リクエストを送るのもありかな、と思っています。


・・というわけで、これをご覧の方も、もしFNGU/FNGDオプションの取り扱いが始まって、またこの人が危険な投資先に突っ込んで阿鼻叫喚する様を見てみたい、などと思われましたら、ぜひ、marketservices @cboe.com(@の前に半角スペースを入れてあります)の方にメールでリクエストをじゃんじゃん送っていただければ大変幸いに思います。


ただ、さすがにCBOEの面々は日本語が読めないので、英語で送っていただく必要があります。

英文メールに不慣れな方でも、日本語をGoogle翻訳にでも突っ込めば十分でしょう。

例1例2

まぁ、同じ文のリクエストが沢山あると組織票くさいので無視されちゃいそうですが、恐らくこんな依頼を聞いていただける方は多くて1人いればいい方かなと思うので、まぁ大丈夫でしょうかね。



さて、せっかくなので回答メールにあった、ルールブック5.3の内容を見ておこうと思います。

回答メールには該当部分のコピペが貼られていたのですが、検索したらPDFでルールブックが全文公開されていました。

http://www.cboe.com/publish/cboe-rules/cboe-exchange-inc-rule-book.pdf

768ページにも及ぶ膨大なルールブックですが、コピペされていた該当箇所は85ページ(PDFファイル上では99ページ)にあたります。

せっかっくなのでしっかり見ておくことにしましょう。



オプション取引を始める上で、対象の有価証券に課される基準

(上記ルールブック85ページより)

(a) 有価証券発行者に適用されるガイドラインは以下の通り:

(1) 1934年証券取引所法第16条(a)に基づいて株式保有を報告することを要求された者以外の者が所有する証券が、最低700万株存在する。


(2) その証券の保有者が、2000人以上存在する。
 

(3) 発行者が、1934年証券取引法の適用要件を遵守している。


(b) その証券の、市場において適用されるガイドラインは以下の通り:
 

(1) 直近12ヶ月間での取引出来高(その証券が取引きされている全ての市場において)が、最低でも240万株となっている。

(2)
(A) その証券が1933年証券法第18条(b)(1)(A)に定義される「カバード証券」(注:州法による制限や規制から、連邦政府によって与えられた免除を受ける証券のクラス。米国で取引されているほとんどの株式は、このタイプとのこと)である場合、この証券の1株あたりの市場価格が、取引所がオプション上場・取引開始のためにOCC(注:オプション決済を司る、いわゆる「手形交換所」的な公式機関)に証明書を提出した日の前の営業日から過去5営業日連続して、少なくとも3.00ドル以上となっている。
本項の解釈上、その証券の市場価格とは、その証券が取引される主要市場で報告された終値で測定される。


(B) その証券が「カバード証券」でない場合、各対象日に、取引されている全ての市場で報告されている中で最低の終値によって決定される、選定された日の前3ヶ月間の営業日の大半において、その証券の1株あたりの市場価格が、最低7.50ドルとなっている。
 


(c) 上項(a)(1)、(a)(2)、(b)(1)、および(b)(2)に記載されている要件にかかわらず、もし、(1) その証券が、続くルール5.4のガイドラインを満たし、かつ、(2) その証券のオプションが、少なくとも1つの他の認可済み国内証券取引所に上場され、取引されている場合、取引所はオプションを上場させ、取引を始める可能性がある。

最終改正日:2007年11月8日



めちゃくちゃ長ったらしく分かりにくいですが、重要な点だけ抜粋すると、要は・・・

  • 発行済み株式数700万株以上

  • 株主2000人以上

  • 最近5営業日の株価が3.00ドル以上

  • 過去1年で出来高240万株以上(1ヶ月20万株、1営業日8000~1万株ぐらい、ってことでしょうかね)

ということですね。


さて、FNGUはどうでしょうか?

まず、株価は問題なしですね。

先週から見ている通り、53ドルで取引が始まり、一瞬50ドルは割ったものの、基準の3.00ドルなど文句なしで超えています。

出来高は・・・Yahoo Financeのチャートで振り返ってみると、最低でも1日5万株、多い日は25万株以上の出来高ですから、問題ないでしょう。

Yahoo Financeより

簡単に概算しても、既に上場来合計240万株は超えているように思います。


ただし、FNGDの方は、これまでの最大出来高で6万ほど、金曜日はついに2618株しか売買されていなかったようで、このペースはまずいかもしれません。

Yahoo Financeより

個人的にはFNGDのプットを買いたいので、FNGDのオプションが一番取り扱われてほしいのですが・・・。


さて、残りの条件、発行済み株式数はどうでしょう?

先週も見た、BMOによるFNGUの公式サイトを見てみたら、発行済み口数 (ETNs Outstanding) は、100万株?
https://www.bmoetn.com/ETN/Detail/FNGUより
むむ、足らない・・・。
(なお、FNGDも全く同じ、100万株)


ですが、そもそもルールブックにあげられている条件は株式の話であり、ETFやETNはちょっと話が違うんじゃないの?と思えてなりません。


もう一つの要件、「ETFの株主数」なんて、そもそも計測されてるの?と思いますし、こないだ返信したリクエストフォームに関する質問で、ついでに「このルールはETFやETNにも適用されるのか?」という質問もしておきました。


返事もらえるといいんですけどねぇ~。



とりあえず前回に続き、閑散としていそうな3倍ETFのオプションは他にどんなものがあるか、比較対象として見ておくことにしました。
 
まず目に付いたのが、我らが日本株のブル3倍ETF・JPNLです。
(なお、珍しくといいますか、日本株対象の3倍ETFはブル型のJPNLのみで、ベア3倍ETFは存在しないようです)

3月16日取引終了後のJPNLオプション板

表示されているオプション価格前日比などが全て0になっているのは、画像を撮ったのがもう土曜日になってからで、金曜日の取引が全てリセットされてしまったからです。

が、それ抜きにしても、金曜日の出来高はわずか6180株で、建玉 (Open Interest:何枚のオプションが現在保有されているか)はほとんどの項目で0と、あまりにも閑散とした寂しい状況です。


何が言いたいかというと、これだけ寂れているしょうもない銘柄にもオプションがあるのだから、FNGUやFNGDにもオプションがあって然るべきだろう、ということですね。



見ていたらさらに酷いのがありました。

7-10年債のブル3倍ETFであるTYD、金曜日の出来高はわずか321株、あまりにもしょうもなさすぎるオプションです!

3月16日取引終了後のTYDオプション板

一応対応するベア3倍ETFのTYOは、もう少し出来高が大きい(1万5570株)んですけどね。
3月16日取引終了後のTYOオプション板

・・しかし、一応4月・5月・8月満期のオプションが用意されていますが、これひょっとして8月で廃止になったりするんですかね・・・?


何となく、こういう高レバレッジ型のオプション商品は、SECやお上にいいように見られていないという話もどこかで見た気がしますし、もしやオプションも廃止の方向に動いていたり・・・??


とりあえず、オプション取引が始まって、それなりの取引数さえ存在すればきっとずっと次の満期も設定され続けるでしょうし(TNA/TZAなどのように、取引の盛んなものには、週1オプションすら用意されていますしね)、とにかく始まれば勝利、一度始まれば私が私財を打ってでも買い支えますので、3倍ETFのオプションが完全撤退ムードになる前に取引が始まってほしい限りです。


ついでに、Direxionの3倍ETFは一番メジャーな商品であり、TYDのオプションがあるのもDirexionだからじゃないか・・・?と感じたため、別の発行体の運営する3倍ETFも見てみました。


実際Direxion以外の3倍ETFは取り扱いなしが多かったのですが、幸い、FNGU/FNGDと同程度以下の出来高しかない3倍ETF、ProsharesのUltra Gold Miners・GDXXとGDXSでもオプションは存在したので、Direxionじゃないとオプションが取り扱われない、ということもなさそうです。

3月16日取引終了後のGDXXオプション板
3月16日取引終了後のGDXSオプション板
  
GDXXは金曜日の出来高わずか1650株、GDXSの方は7890株ですね。


ついでに、FNGUが満たせていない発行済み口数がどうなっているのかを調べるべく、ProSharesのレポートから、GDXXの項目を見てみました。


年次レポート236ページより

最下部に表示されているGDXXの発行済み口数、2017年時点で、29万9969株!

余裕で700万株に達していません!! 

・・勝った、これでFNGUでもオプション取扱いの資格があることが確定した・・・。


というわけで、リクエストでは、この辺の3倍ETFの資料も載せ、「GDXXなるETFは、わずか30万株の発行済み口数でオプションが扱われています。じゃあ100万株のFNGUやFNGDでオプションが扱われないなんておかしいですよね?」と、比較対象の客観的データを並べて攻めていくつもりです。

(まぁ、CBOE側は全てのデータを持っているので、そんなこと言われんでも分かっとるわ、と思われるだけかもしれませんが)


とりあえず、FNGU/FNGDの取引が始まって以来、微妙にFANG+指数がくすぶり続けている今の内にFNGDのプットを大量に仕込めれば素晴らしい未来が待っていそうなので、早くオプションの取扱いが始まってほしい限りです。

・・・まぁ、満を持してプットを大量買いしたら、いきなりFANGバブル崩壊で大暴落が来て涙目敗走になるかもしれないんですけどね。

でも多分そんなことはないでしょう。

ともかく熱のこもったリクエストを送って、あとはCBOEの判断を待とうと思います。

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