2018年2月8日木曜日

VIXショートが取引停止、その余波で取引所株が暴落…これは……上がる!(断言)


昨日最後にちょろっと触れた、シカゴオプション取引所CBOEについて触れてみたいと思います。


CBOEは、オプション・先物・その他デリバティブ(金融派生商品)を取り扱う、世界最大のデリバティブ証券取引所です。


米国株オプション取引をこよなく愛する私としては、CBOEに足を向けて寝られないので、寝床はシカゴの方角を頭に向けているぐらいです。

・・いやまぁ、地球は丸いので、地面にめり込む形で寝たりしない限り、足を向けて寝ることにはならないんですけどね、地球儀的に考えて。



さてそのCBOE、2010年のNasdaq上場以来、大きな暴落もなくほぼ右肩上がりで成長を続けてきたのですが・・・

Nasdaqの全期間チャートより

先日現地時間火曜日、上場来最大の下落幅を記録していました。



何が起きたのか?


昨日配信されていたニュース記事から概要をかいつまんで見てみましょう。

なぜCBOE株が本日沈んでいるのか?(Motley Foolより)


何が起きたか要約

・火曜日午前11時30分現在、CBOE株が約12%下落している。

・投資家が、VIXショート商品の失墜を受けて、CBOEのVIX関連商品の取引量・収入減、すなわちCBOE自身の今後の収益に懸念を抱いたからである。

簡単な解説

・VIXとは、S&P 500指数オプションのIV(ボラティリティ)に基づいて計算される指数で、その性質から「恐怖指数」と呼ばれている。IVが高い=多くの投資家がヘッジとしてオプションの買いに走りオプションが値上がりしている、ということで、この値が大きくなるということは、市場に不安が高まっていることを示唆しているからだ。

Business Insiderの記事で引用されているKBWのレポートによると、CBOEの収益の内、20-25%が、VIX関連商品から生み出されるものだという。

・そしてその収益が、VIX関連ETNのシャットダウンにより、干上がってしまうかもしれないのだ。

・ここ5年間、順調に進んできた株式市場において、VIXショート型のETN、例えばXIVなんかは、年率35.7%の勢いで成長を続けてきた。昨日までは。

・ご存知のように、リスクなしで例外的に高いリターンをもたらす商品など存在しなかったのである。この日XIVは、108ドル以上から一気に4.22ドルまで転落、一時取引停止となり、XIVを提供するクレディ・スイスは、このETNは廃止とし、保有者には現金で清算させていただくと発表した。

この先どうなるか

・XIVと、別のVIXショートETF・SVXYは、この日、投資家の富を30億ドル分蒸発させてしまった。

・これらETNやETFを保有していた人の多くは、それ以外にVIXへの投機法を持たない、個人投資家であった。彼らがETN・ETFからVIXオプションやVIX先物へ移ることは、恐らくないであろう。CBOEの収益は、間違いなく減ることになると思われる。

・しかし、ハッキリさせておくべきことは、これは、CBOEの失態ではないのである。 市場が、逆方向へと行ってしまっただけなのだ。

・とはいえ、VIX関連商品の取扱量減少は、CBOEにとって、短期的な逆風にはなってしまうかもしれないね。




・・・ということで、日本でも「2049 VIXインバースETN」が強制損切り状態になってメチャクチャな状況になっていたようですが、私は個人的に、ニュース記事の最後にもある通り、「いやCBOEは何も悪くないじゃん」という意見をまず最初に感じました。


早期償還されるということはあらかじめ示されていたんだろうし、VIXショートETFが強制損切りで退場になっても、それはCBOEも恐怖指数も別に何も悪くはなく、そのETFとそれに投資していた人が悪かっただけじゃない?としか思えなかったので、

「CBOEは悪くない。何か株価が巻き込み暴落食らってるけど、ただのとばっちりで、間違いなくまた上がるに違いない!」

と思ってこの記事を書き始めたのですが、ニュースを読んでみると、いや確かに、主力商品がおじゃんになってしまったとなると、「私は悪くないもん」と他人のフリをするわけにもいかないのかな、という気になってきました。



いやでもやっぱり、VIX自体が廃止になるわけでもなし、CBOE自体は本当に健全で優良な企業ですから、今回の急落はさすがに狼狽下落であって、私はまたすぐにCBOE株は上がり始めるんじゃないかな、って気がしますね。

断言はできませんが。

(記事タイトルの「断言」は、なかったことにしてください)




・・というわけで見てみましょう、CBOEのオプション板を!


こちらは現地時間正午のCBOEオプション板の様子、意外や意外、この日もCBOE株価は下がっています。


正午時点の、CBOEオプション板


私は、CBOEは間違いなくあっさり暴落前へ値を戻すと思うので、コールオプション1点張りで行きます。

とはいえもちろん、ややハイリスクな取引なので、失っても問題ないと思える、小額での張りですね。

大きく張る場合は、逆に動いてもいいように、絶対にコール&プットの両建てにするべきかと思います。


今回は資金ドブ捨て覚悟の、コール買い1点張りでいく予定です。


さて、株価は前日比-2.80%ですが、コールオプションの価格はやばいレベルで下がってますねぇ~。

アットザマネーに近いまともな商品でも、-40%-50%超えの、超下落です。

昨日勢い余ってエントリーしなくてよかったです。


しかし、CBOEは時価総額も大きい大企業ですが、週1オプションは存在せず、月1満期のみの取り扱いのようですね。

オプション取引の本丸銘柄が月1だけとは意外でした。


2月限は満期まで残り9日、3月限は残り37日、6月限は残り128日で、ここはやはり2月は短くて危険すぎ、6月は逆に長すぎてコールの値段が高すぎなので、狙うは3月限でしょう。

というわけで3月限をメインに表示させてあります。



ん?企業名の横にある四角は何だ?とマウスオーバーさせてみると・・・





おぉ、「2月9日市場開始前に、決算報告がある」というメッセージが表示されました!


そうか、CBOEは決算が目前に控えているのか・・・これはナイスメッセージでした。


決算発表というのは株価に影響を与える一大イベントなので、 当たり前ですが決算日を目安に、その株のボラは大きくなっています。

そして発表を終えると、ボラ(IV)が一気に消失することになるため、コールもプットもIVが小さくなった分、全体的に劇的に値下がりします。

特に満期が程近いオプションでは、もうこの先大きな値動きが期待される時間的猶予がないこともあり、尋常じゃなく値崩れを起こします。


もし決算発表後に株価が全然動かなかったら、コールもプットもIVの消失分、全てのオプションが大きくマイナスとなります。

むしろ、原則株価が上がったらコールは上がるわけですが、決算発表直後の場合、中途半端な株価の上がりでは決算が終わったことによるボラの消失に負けてしまい、「株価が上がったのにコールは下がった」という残念な事態にすらなりかねません。

もちろん、予想以上に信じられないぐらい株価が上がったら、コール買い(特に、アウトオブザマネーだったのがインザマネーになったりするもの)から、株価の上がり以上にものすごく大きな利益を生み出すことも可能です。


ただやっぱり、基本決算直前に、満期直前のオプション買いに走るのはあまり得策ではない印象です。

決算が終わると、確実にベースラインが大きく値下がりすることが確約されてるわけですからね。



とはいえ、決算後、満期まで1ヶ月以上も時間があるなら、まだその影響も少ないかな、と思います(決算を終えても、十分な時間があるので、残っている時間価値によるIVは維持される)。


ってことで、その点からも2月満期は論外、3月満期のコール、行っちゃいますか・・・?


資金ドブ捨て覚悟のハイリターン狙い取引のつもりなので、やはりターゲットはアウトオブザマネー、行使価格と評価額を上から並べてみると、


行使価格115ドル、評価額3.85ドル→118.85ドルの価値
行使価格120ドル、評価額1.925ドル→121.925ドルの価値
行使価格125ドル、評価額0.925ドル→125.925ドルの価値
行使価格130ドル、評価額0.40ドル→130.40ドルの価値


という感じです。


「価値」と書きましたが、コールの場合、「自分が払わなくてはいけない価値」なので、安いほど自分に有利ということですね。

もちろん、安い行使価格のコールの方が現在価値は小さくなっており、安全な投資対象です。

しかし、こないだの解説記事で述べたとおり、いざCBOEの株価が大きく上がった時、それぞれのコールは取得単価が全然違いますから、利益率は大きく変わってきます。


例えば株価が今から10ドル上がった場合、ざっくりコールの価格は現状の2段階下のものに移動することになるので、

今評価額0.40ドルの行使価格130ドルコールは大体評価額1.95ドルぐらい=約5倍に

今評価額0.925ドルの行使価格125ドルコールは大体評価額3.85ドルぐらい=約4倍に

今評価額1.925ドルの行使価格120ドルコールは大体評価額6.6ドルぐらい=約3.4倍に

・・・という具合に、大当たりしたときは、現時点で自分に不利な、無駄に高価値なディープアウトオブザマネーのコールの方が、利益が圧倒的にでかくなるわけです。


暴落前、CBOEの株価は135ドル超えを推移していたので、1ヶ月もあればそのぐらい戻るんちゃいます?・・という楽観的希望のもと、今回はリスクリターンのバランスを取って、ややリスキーですが行使価格125ドルコールに目をつけてみました。


さっそく注文ですが、今回はやっぱり決算も控えてますしね、素人考えで慌ててエントリーしない方がいいことが多いのはもう鉄則ですし、無理せず、今のBidより1段階だけ高い0.85ドルでの買い注文を入れて様子をみることにしました。

注文枚数は50枚=5000株分、合計0.85×5000=4250ドルでの買い注文です。


注文チケット


12:05時点の、CBOEオプション板

注文中を示す黄色い三角形が出てきました。


注目すべき点として、私は50枚しか注文を出していないのに、Bidには注文送信と完全に同時に60枚の注文が入っています。


このように、オプション取引では(多分株取引でもですが)、多くの投資家がアルゴリズムを組んで、新しい注文に自動追従するように設定しているようです。

よって、以前書いたとおり、例えばAskにぶつける買い注文であれば、それは間違いなく売り方有利な注文ですから、そういうのを掻っ攫おうと、後から後から何枚でも売却希望者が現れます。

つまり、常識的な範囲の枚数であれば、相手方有利な注文を出せば、どんな過疎オプション板でも絶対に100%約定可能ですので、「オプション買い取引に入ったはいいが、ポジションを閉じれなくなったらどうしよう」という心配は絶対にする必要がありません。


さて、無駄に話が長くなりましたが、それから40分、ずっと横ばいを続けていたCBOEの株価は、少し下がりを見せました。


12:40時点の、CBOEオプション板

0.85ドルでの買い注文に10枚相乗りしていた誰かは、「株価が下がってきたからこのコール買い注文にうまみはなくなった、取り下げよう」とどこかへ消えてしまい、 現状私の50枚のみがBidとなった形です。

でも、まだまだ約定はないでしょうね。Askとの開きも大きいですし。



しかし、さらに30分ほど経過、CBOE株価はまたも下がり、112ドル台突入です!

13:14時点の、CBOEオプション板

Askは下がっていませんが、直近取引価格は0.90ドルになってるし、これは約定来ちゃうぅ~?!と思って、また無駄に欲を出してキャンセルしようかどうしようか迷っていたら・・・



13:16時点の、CBOEオプション板

2分もせず、あっさり113ドル台に戻りました。

ま、慌てないでいいでしょう。約定しなかったらしなかったで問題なし、明日の動きでまた考えます。

冷静に考えたら、今日程度の株価の下がりで、コールの値段は前日比-70%とかになってるわけですからね、慌ててエントリーしてまた株価が下がろうものなら、大やけどもあり得そうです。


多分もう今日は約定しないだろうなという予想のもと、注文を放置して待とうと思います。



~午後4時、取引終了~

はい、予想通りといいますか、結局横ばいどころか株価は残り30分を切って突然大きな上がりも見せ、全く惜しくもなく約定ならずでした。



Nasdaqのチャートより

引け時点の、CBOEオプション板

う~ん、0.90ドルの注文にしておいて、お昼のあの時点で買えていれば!!


まぁ、そんなのは本当に後出し結果論であって、考えるべきは明日ですね。


明日が、決算前最後の取引ですが、決算前にオプション買いに入るのは愚策ではあるものの、決算で一気に息を吹き返す気もするんですよねぇ~。

もし明日また株価が下がるようなら、エントリーしてみようかな、と思います。

かなりリスキーなので、もっと小額での方がいいかもしれないですね。




一方ポジション保有中の銘柄は・・・

コール&プット両建てだけどプットが強いので株価が下がってほしい仮想通貨関連銘柄KODKは、寄り付きから異常な強さを見せて爆上げ!!

仮想通貨関連銘柄が全て大きく上げていたので、やばいなぁと思ってたんですが、徐々に萎んで、結局、前日比プラス・・・と思いきや、最後の最後で前日比同値まで落ちてくれました。


Nasdaqのチャートより

引け時点の、KODKオプション板

しかし、株価はずっとプラス圏を推移していたこともあり、そもそも横ばいというのは時間価値を失うだけなので、評価額は減少です。

ただ、一時的に株価が大上がりしていたときよりは、傷はかなり小さくなりました。

明日以降の下がりに本当に期待したいところです!



一方、市場全体の暴落に期待してプット買いに走った、米国小型株ブル3倍ETF・TNAは・・

Nasdaqのチャートより

引け時点の、TNAオプション板

まま、こちらも横ばいかと思いきや最後グンと上がったりもしましたが、3倍ETFでこの程度なら、まぁいいでしょう。

評価額は当然下がりましたが(投入した5000ドルが、一日で一気に2160ドル-56.8%です)、この先市場全体に暴落が来たら、こんなもの何てことありません。

まだまだがっちりホールドで、この先の値動きに期待したい所です。



しかしこの日一番の驚きだったのは、SNAPですね。

Nasdaqのチャートより
引け時点の、SNAPオプション板
 
スナップチャットとかいう終わってそうなアプリのこの企業(詳しく知りませんが)、絶対この先ずっとズルズル下がるだけだと思っていたら、まさかの好決算で超アップ、株価は+47.58%で、一気に20ドル超えです!

寄り付きからでも20%以上株価が上がっていたので、飛びつくのもありでしたね。結果論でしかないですが。

コールは、表示されてる中で一番大きいので・・・+4900%ですか。

たったの1日で50倍達成!!やばいですね。


ちょうど上で書いた、 決算明けでも予想以上の株価アップならコール買いで爆益といういい例でした。

ま、多分SNAPには今さらエントリーしないかな、と思いますけどね。ちらちら横目でこの先どう動くかは見ていこうと思います。


とりあえずKODK、TNA、それからCBOEの動きに、個人的には要注目です!

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