2018年4月29日日曜日

高配当をありがたがるのはお猿さんと同じ……??


煽りっぽいタイトルにしてしまいましたが、配当に関して個人的にずっと疑問に思ってることがありまして、今回問題提起することで、「何か間違ってる所があるのかなぁ?見落としている点があれば詳しい人に教えて欲しいな」と思ってまとめてみた次第です。


私自身、財務情報等は一切読まず、投資の知識もからっきしなので、間違っている話が多々あると思われます。


間違った解釈、誤った情報、どんなことでもご指摘ドシドシ大歓迎です。



さて、お猿さんに例えたのは何も高配当をありがたがる方を煽っているというわけではなく、まさにこの故事成語が配当そのものを見事に言い表しているのではないかと思ったためです。


それはズバリ・・・「朝三暮四」


「朝三暮四」とは?

 Weblio辞書より―
 ちょうさん ぼし てうさん- [5] 【朝三暮四】
〔「列子黄帝」などに見える故事。狙(そ)公(=猿回し)が猿にトチの実を朝に三つ,暮れに四つ与えると言ったら猿が怒り出したので,朝に四つ暮れに三つやると言ったところ猿が喜んだというもの。狙公橡(とち)を賦(くば)る〕

①表面的な相違や利害にとらわれて結果が同じになることに気づかぬこと。


つまり、お猿さんに、トチの実を「朝3つ、夕方4つあげる」と言ったら「少ないウキー!」と怒ったけれど、「じゃあ朝4つやろう。その代わり夕方は3つにするけどねと言ったら喜んだ、というお話ですね。


この話、高校の漢文の授業で習った時のことを今でも覚えているんですけど、近くの席にいた友人が、この授業が終わった時に私の方に近付いてきて、


友「え、よく意味分からんかったんだけど」


ウ「朝3つじゃなくて、朝4つにすることで、多くもらえたとお猿さんが勘違いして喜んだ、ってことだろうね」


友「いや、合計7つで、もらえる数は一緒じゃん」


ウ「そうなんだけど、朝、最初に多くもらえるようになったから、目先の数の多さで多くもらえたと思い込んでしまってる、ってことでしょ」


友「いやだから、朝増えてもその分夕方は1つ減ってるんだから、トータルでは増えてないじゃん?それなのに多くもらえて喜ぶっておかしくない?」


ウ「いやだから、もらえる合計は一緒なのに、最初に多くもらえたからそれに満足して喜んでるお猿さんは浅はかだね、って、そういうことっしょ」


友「はぁ?意味分からん!猿バカすぎてイラつくわ~!!」



・・・とブチ切れていた友人の表情を、とても鮮明に覚えています。

あまりにも印象的過ぎて、私なんて今でも週2ぐらいでこのイベント思い出してますもんね(どんだけ他にイベントない人生だよ)。


その後も、周りの人を巻き込んで、「いや、よく考えたら、このお猿さんは、昼過ぎに自分の命が尽きる可能性を考慮したのかもね?夕方もらえる前にこの世を去れば、トータル1個増えるし」「一理ある」「いやいや、このバカ猿がそんなこと考えるわけなくね?」などなど、喧々囂々、お猿さん議論をし尽くしたのもいい思い出です。



まぁそれはともかく、「配当金を受け取ってありがたがっているのは、実はこのお猿さんと同じなんじゃない?」というのが、私が常日頃感じているけれど、特に巷では論じられていないように感じるポイントなわけです。


どういうことか、順に説明してみましょう。


配当というのは、本質的には自分の資産を切り崩しているのと同じ


初心者の方がよく勘違いしているのではないかと思われる点に、「配当金を受け取ると資産が増える」というのがあるように思います。

なぜそう思うかというと、私自身、株取引を始めた直後はそう思っており、配当利回りの高い銘柄を順に並べて、何を買おうかな~、などと考えたりしたものだったからです。


でも、それは実は違うんじゃないかと思うわけです。


理由は単純です。


配当金というのは、一見、株主が受け取れる企業からのボーナスみたいに感じるわけですが、そうじゃないんです。

当たり前ですが、大量に存在する株主に配当金として支払われるそのお金は天から降ってくるものなんかではなく、言うまでもなく、その企業が負担しているわけです。


すなわち、その企業は配当を出した分の現金が失われることになりますので、その企業の持つ価値=時価総額も、確実に失われることになるわけです。


どのぐらい失われるのでしょうか?


言うまでもありません、配当を出した分の価値が失われることになりますので、配当の支払い名簿が確定した日、すなわち配当権利落ち日に、その企業の株価は、配当総額を発行済み株式数で割った値、つまり当たり前ですが、株価が、配当で支払われた金額と同額分下落することになります。


本当にそうなの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば下のInvestopediaの記事なんかでも、その旨ははっきりと述べられています。


参考:配当が株価に与える影響(Investopediaより)


せっかくなので、面白そうな記事ですし、また後日この記事も読んで紹介してみようかと思っています。


・・が、ひょっとすると、「それはその執筆者がそう思ってるだけじゃないの?そんなの信じないよ」という慎重派の方がいらっしゃるかもしれません。


そんな方のために、明白な数値での証拠をお示ししましょう。



こちらYahoo Financeの株価データです。

参考として、AT&T (T) の最近の配当権利落ち日前後の株価推移を抜粋してみました。


はいどーん!

Yahoo FinanceのHistorical Dataより

右の方にある「Adj Close**」という項目、下の注を見ると、これは配当 (dividend) と株式分割の両方で調整された、調整済み終値である」となっていますね。


そして、2018年4月9日にあった0.5ドルの配当を境に、それ以前の調整済み終値が、全て実際の終値より-0.5ドルされているのがお分かりいただけるでしょうか。


念のためもう四半期前の、前々回の配当の前後も見ておきましょうか。

Yahoo FinanceのHistorical Dataより

2018年1月9日にあった、これまた0.5ドルの配当を境に、それ以前の調整済み株価は全て、さらに-0.5ドル、合計すると調整前の株価より-1ドル低く調整されていることがお分かりになるかと思います。


つまり、まさにこのデータがはっきりと示している通り、株価は、配当金が出されるのに伴って、確実に配当と同額分下落しているということですね。


すなわちYahoo Financeでは、「配当が出た分を考慮すると、これまでの累積で、実際にはこれだけ株価が増加していました」というデータを、調整済み株価終値として、ご親切にも教えてくれているわけです。


・・・ちょっとややこしいですかね?


とりあえず分かりやすく端的に言えば、配当が出されると、それと同額分、株価は自動的に下がっている、というお話です(何の説明にもなってませんが)。



「いやいや、配当権利落ち日でも、株価が上がることだってあるじゃん」と思われ方もいらっしゃるかもしれませんが、それは単に、その日、たまたまその銘柄が配当で失われた額以上の株価アップをした、というそれだけです。


もし配当がなかったら、その日その銘柄の株価は、もっとより大きく上がっていたでしょうね。


ちなみにTは高配当ですから、軽く見た限り、配当分の下落があった日に、「(調整前の)前日終値より株価が高くなっていた」日は、ほぼ全くありませんでした。


これは、「株価が、配当を出した分下落している」 ことの間接的な証明とも言えますね。

(株価が配当分下落しているからこそ、権利落ち日の株価は、前日比(=調整前の前日比)ほぼ間違いなく下がっている、ということです)


一応、めっちゃ遡って見てみたら、2008年の7月にそういう例もありました。

せっかくなので、具体例として、見ておくとしましょう。

Tは2008年7月8日が配当権利落ち日だったようですが、具体的には、調整前の前日終値32.68ドルだったのが、0.4ドルの配当を出した権利落ち日、終値32.96ドルをマークしていました。

つまり、0.4ドルの配当を出してもなお株価が前日比0.28ドルもアップしていたということですが、これは単に、「もし配当を出していなければ、この日株価は0.4+0.28ドルアップして、33.36ドルになっていたはず」というそれだけなんです。


誰が何と言おうと、配当を出したら、企業はその分の現金が失われますから、株価はその分下がるわけです。



・・ということで、ちょっとややこしい具体例が長くなりましたが、一般論に戻りましょう。


このことから言えるのは、「配当を受け取って喜んでいても、実はバックグラウンドではひっそり株価がその分下がっている」ということ・・・

つまり、自分の総資産を見ると、配当を受け取ったと同時に保有する株価がその分下落しているわけですから、資産価値としては何も増えていないということなんです!


分かりますかね、これはつまり、配当として現金を受け取って喜んでいたら、その現金は実は自分の口座から引かれていた、というのと全く同じ状況なんです!!


翻って最初のポイントに戻りますと、配当金をもらって現金収入を喜んでいたけど、実はトータルでは自分の資産は何も変わっていなかった、これは、朝三暮四のお猿さんと全く同じ状況なのではないでしょうか!!!


実は正直、さらに言うと、配当金には税金がかかりますから、トータルでは「+配当金-配当金と同額の株価-配当にかかる税金」ということで、配当を受け取ることで実質損してるとも言えるんですよね。


というわけで、私は、高配当を受け取ってありがたがるというのは全く本質をとらえた行為ではなく、実は大きな見落としをしているのではないかと常々感じているわけです。


もちろん、高配当企業への投資がダメだと言っているわけではありません。

高配当を出せる企業というのは、体力の十分ある、安定した大企業であることがほとんどですから、そういう企業に長期投資するのは、必ずしも間違いではないでしょう。

私自身はそれがいい戦略とはあまり思えませんが(単に私自身の性格に照らし合わせて、です)、少なくとも、「その理屈は絶対におかしい」と断じることはできません。



しかし、多くの初心者の方が実際に勘違いしている(ような気がする)点、「配当利回りが大きければ大きいほど、得られる現金が大きいんだから、資産が大きくなりそう」という側面に関しては、少なくとも理屈の上ではそれはおかしい、と言えるのではないかと思います。


なぜって、繰り返しですけど、配当は出された瞬間、自動的に株価がその分下がるんですから!


その株・株価は、あなた自身の資産ですよ!!


結局、『自分の資産を切り崩して、現金化した』・・・つまるところ、配当というのは、それ以上のものではないように思います。

(例えば年4%の配当を出す企業なら、3ヶ月に1度、株価の1%の現金が振り込まれますが、これは、実は『自分の保有株(無配企業)の内、1%の株を自分で売って現金化した(もし1000株保有しているのなら、10株売った)』ということと、資産価値的にはなんら変わらない話です。

 もちろん、保有株数を変えずにいられる・わざわざ手数料をかけて取引をしないで済む、などの違いはありますが、本質的には、という点で)


でも、そうであるならば、プロの人を含め、割と多くの投資家の間でここまで配当が重視されるのはおかしい(誰が言ったか忘れましたが、著名投資家が、「配当のない株はハンバーグのないハンバーガーみたいなものだ」みたいなこと(うろ覚えなので適当ですが)を言っているのを聞いたことがあります)気がしますし、多分、私が何か勘違いか見落とししているのではないかと思います。


というわけで、優秀な読者諸兄におかれましては、もし私の上記の主張におかしな点があれば、ご指摘いただけると助かります


そうですね、まぁ、例えば(単なる今思いついた例えです。多分全然間違いなので、鵜呑みになさらぬよう)、「配当に出す分の資金はその企業の課税対象の利益であり、配当に出さなかったら法人税として消えるだけだから、経費として配当に用いれば節税につながる。企業は節税・株主は現金を受け取って嬉しい、Win-Winだ」みたいな見落としが、もしかしたらあるのかもしれません。
(繰り返しですが、ただのでっち上げの例なので、多分間違っています)


あとは例えば・・・・あれ、何かめっちゃそれっぽい、凄く説得力のありそうな例が浮かんでたんですけど、忘れちゃいました。

思い出したら追記しておきます。


・・・あ、思い出しました、「配当を出すことで株価が下がることを知らない人も多いだろうし、仮に配当を出して株価が下がったとしても、『おっ、株価下がってんじゃん』と株を買う人の需要、つまり買い圧の方が高くなり、実質、配当を出して下がった分より、株価は上がることが多いんじゃないの?」っていうのは、もしかしたらあるかもしれませんね。


まぁ「多くの投資家が配当日に株価が自動で下がることを知らない」かどうかの真偽はともかく(実際私は、権利落ち日は、「もう配当を受け取る権利を取ったからこの銘柄には用済み」と思う投資家が多数いて、投げ売りされるから株価が下がることが多いのではないかと思っていました)、「権利落ち日は株価が下がるから買いのチャンス」という感じで、買い圧が高まるのは、ひょっとしたらあるかもしれません。

そういうのを考慮すると、株主は、仮に配当分の株価が下がっても、受け取った配当と、下がった株価を元に戻そうとする謎の圧力で上がる株価とを合計すれば、トータルでは利益になることが多い、なんて説は、まぁあり得なくはないですね。



ですが、そういう異論や、見落としている理屈があろうとなかろうと、ともかく、「配当が出されたらその分株価が下がる」ことは否定しようのない、紛れもなく間違いない厳然たる事実です。


つまり繰り返しですが、配当金を受け取るというのは、実は「自分の銀行口座から現金を引き出す」のとなんら変わらないわけです。


自分の口座から現金を引き出して、「現金儲け♪」なんて思えますか?


そこを見落としている方(少なくとも私は、投資最初期は気付いてませんでした)は、絶対に意識された方がいいのではないかと思いますね。



それでなくとも、正直ぶっちゃけ、「3ヶ月待って1%とかそこらの現金もらって何が嬉しいの?」・・・というのがありますし、私は、「高配当であること」を投資対象選定の第一要因にするのは、あまりいい戦略じゃないのではないかな、と思います。


あぁあとついでに、どうにも配当で腑に落ちないと思う点としては、「配当が出されたら、実は株価がその分下がっている」というのとも関連するわけですが、その企業が自分以外の株主、世の中に大量にごまんといるどこの馬の骨とも分からん輩に現金を配ることで、その企業価値を減らしていることについては何も感じないの?っていうのがありますね。

正直、自分が得る小銭より、誰か知らん人にバラ撒かれる損失の方が遥かに大きくないですかね・・・??


全員が全員受け取った配当金でその株を買い戻せば、企業価値は元に戻るような気もしますが、絶対にそんなことはなく、バラ撒かれた配当金は、どこぞの知らぬおっさんの生活費に消えることの方が多いでしょう。

つまり、あなたの持っていたその企業の企業価値の一部が、配当を出すことで、どこぞのおっさんの生活費に変わってしまったのです!

(・・・しまってますよね?理屈としておかしいかな?)


一方、無配当企業であれば、そんな無駄金をバラ撒くことはせず、(良い企業であれば、という但し書きがつくかもしれませんが)自社の利益になるようにその余剰資金を使ってくれることでしょう。

私なら、自分を含め、株主とかいうただその企業の株を買っただけで実際の業務をしているわけではない人にお金を配るぐらいなら、もっとその企業の成長に直接役立つ形で使って欲しいと思えます。



ということで、高配当投資戦略は流行っており、それ自体が間違っているとは決して誰にも言えないけれど、私にはそこまで良い戦略には思えない、というお話でした。


・・・ただ、この主張、実はちょっと声を大にしては言い辛いんですよね。

なぜならば、米国株ブログ界の英雄・GE坊やさんが、まさに高配当銘柄をポートフォリオにずらーっと勢揃いさせているから、というのがその理由なわけですが・・・


でも、彼は、不特定多数に無責任に「高配当戦略が良い」などとは決して言っていないですしね。

彼自身、「坊やのこの体たらくを反面教師に、屍を乗り越えていけ」とおっしゃっています。


高配当投資には一考の余地があるのでは、というネガティブな意見は、畏友・GE坊やさんを否定しているわけではない(もちろん、あらゆる高配当投資を実践されている方を否定しているわけでも、当然ありません)ことにご注意いただければ幸いです。

そうではなく、単に、「配当は、株価を切り崩しているだけだ」という事実は、絶対に知っておいた方がいいのではないかな、と思ったまででございます。

(あと、多分上記主張には間違いもあるので、その間違いを私自身知りたい、という目的)




私自身そうだったので分かりますが、株式投資のごくごく初心者は、他に何を見ればいいか全く分からないので、とりあえず配当利回りの高い銘柄に手を出しがちかと思います。


でもちょっと待って!


それは、ひょっとすると資産を大きく形成する上では、ベストな戦略ではないかもしれませんよ!!


盲目的に利回りのみに目をやるのではなく、きちんと理論と事実とを把握して、自分にとってベストなやり方を見つけるのが、何より大切です。

しっかり自分の頭で考えに考え抜いて株取引という戦場を戦い抜くようにしましょう!!

(もちろん、考えに考え抜いて、高配当投資がベストである、という結論になる方も間違いなくいらっしゃるであろう、ということも、併記しておきます)

コメントを投稿

※特に意味もないかなと感じたので、コメント承認ステップはなしにしました。
投稿後、即座に反映されるのでご注意ください。